京王「あそびの森」で狙う子育て最強路線の座

多摩動物公園駅に子ども向け新施設開業

京王電鉄も先述のとおり、「子どもに優しい京王線」を実現すべく「京王あそびの森HUGHUG」以外にもさまざまな施策を行っている。たとえば保育所「京王キッズプラッツ」を沿線各地に展開しているほか、高幡不動と国領には保育所付き賃貸マンション「京王アンフィール」を展開する。沿線には子どもの転入超過数が多い自治体がいくつもあり、特に八王子市、稲城市、調布市は1都3県の251自治体でも上位に位置する。

また、高齢化のイメージが強い多摩ニュータウンを擁する多摩市も子どもの転入は多い。多摩センター駅前にはシステム開発会社の「ジェネレーション」が運営し、母親がスタッフを務める「親子カフェWithCo」があり、くつろぎ、情報交換できる場所の提供やイベント開催を通じて子育て中の親を支援している。このように、京王電鉄沿線も子育て世代にとってはポテンシャルの高いエリアとなっていると言えるだろう。

「選ばれる沿線」への強みとして

一方で、こうした子育て環境は鉄道会社だけで作れるものではなく、家賃・地価といった不動産価値の要素や公園・緑地の数といった住環境の要素、子育てに関する自治体から補助金や医療環境の充実といったものが大きく作用することは事実だ。

だが、鉄道会社が自治体と協力し、よりよい都市計画を作ることで新たな住環境を創出したり、子育て支援の施設を作ったりすることはできる。利益の出る事業とするのは難しいだろうが、地域密着のPRになり、沿線の魅力向上や沿線を愛する人を増やすことにはつながる。そうして長い目で「選ばれる沿線」であり続けることで、トータルで投資を回収していくような考えが重要だ。

また、目先の利益にとらわれない、それぞれの沿線の強みを生かしたまちづくりをすることで、多様な「子育てに優しいまち」が生まれ、都市圏全体で子育て環境の向上につながっていくことが期待できる。鉄道ができる子育て支援、そして沿線の子育て環境向上の伸びしろはまだまだ大きそうだ。

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