京王「あそびの森」で狙う子育て最強路線の座 多摩動物公園駅に子ども向け新施設開業
利用者に話を聞いてみると、「広くて清潔感があり、遊具も家では遊べないものがあるのが魅力」(乳児の親)、「座って子どもが遊ぶのを見ていられるので、安心できるし楽だ。ママ友同士でおしゃべりしながら子どもを見ることができるので息抜きにもなる」(小学校低学年の子を持つ親)といった声が聞かれ、実際に遊んでいる子どもにも話を聞くと「走り回れるから楽しい!」と笑顔で答えてくれた。一方で入場料は大人が700円に固定されており、少し高額という声や、子どもとのセット券がほしいという声もあった。
入場者数の年間目標人数は約25万人。ターゲットは15km圏内に住む小学校低学年までの子どもだというが、実際は八王子市・日野市・多摩市を中心に京王線沿線の広い地域から来場しているという。来場者が多いのは雨や雪の日で、特に春分の日に雪が降った際は利用者が多かったという。屋内型の遊戯施設ということが大きく影響しているようだ。
オープン後の来客数は目標のペースだというが、「(当初は)春休み効果も大きかったように思う。これからが正念場ではないかと考えている」と京王側は気を引き締める。「リピートの施策としてドミノなどのワークショップの開催、そしてラッピング電車をはじめとした多摩動物公園エリア一体となった集客施策や3施設の連携により呼び込みを行いたい。そうした施策を通じてまずはこの施設の運営をきちんと軌道に乗せていきたい」と露木課長補佐。今後来場者の声を拾ってどれだけソフト面をアップデートできるか楽しみだ。
鉄道会社の「子育て支援」積極化
近年、「子育て支援」を掲げる鉄道会社が増えている。駅至近への保育所設置をはじめ、子育て世代に向けた情報サイトの開設を行っている鉄道会社もある。
そうしたハード・ソフト両面から「子育て世代」の積極的な呼び込みが鉄道各社で行われる中、一歩抜きん出ているのが2005年に開通したつくばエクスプレスの沿線だ。特に「母になるなら流山市」というキャッチコピーで子育て世代を呼び込む千葉県流山市では子育て世代の転入が多い。隣の柏市も小学校低学年までの子どもの転入超過数が多い。
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