「車載向け市場」で日本勢が世界を席巻する日 自動車革命が牽引する「製造業復活」の未来図

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カメラモジュールの中核をなすC-MOSイメージセンサーの世界チャンピオンはソニーであり、エンジン周りの圧力センサーの世界チャンピオンはデンソーであり、触覚センサーや振動センサーの分野で世界首位を行くのが日本電産である。

車載向け電池、半導体、部品・素材産業で圧勝

また、車載向けリチウム電池は、パナソニックが世界シェアの40%以上を押さえている。そしてまた、車載マイコンの世界はルネサスが世界トップを疾走しており、次世代自動車向けのLSIについても最先行するといわれている。半導体をはじめとする電子デバイス分野は、次世代自動車に移行してもニッポンの強さが際立つことは間違いないことだろう。

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1台の自動車が大きな情報端末に代わっていく中で、ディスプレー付き電子インパネ、ヘッドアップディスプレー、カーナビゲーション、カーオーディオなどの情報系におけるECU(エレクトロニック・コントロール・ユニット)の需要額は、2020年には6兆6000億円の市場にハネ上がる。

最も大きい駆動系は、エンジン制御、変速機、ブレーキなどにおけるECUが、2020年に13兆5000億円規模にまで拡大する。さらに、エアコン、電動シート、電動ウィンドーなどのボディー系に使われるECUは2020年に6兆1000億円が見込まれている。つまりは、IoT時代においては、30兆~40兆円という車載用電子機器のビッグマーケットが出現することになる。

車載用半導体市場もこうしたECUの急速成長に支えられ、今後はかなりの勢いで伸びてくるだろう。現状で1台の車に搭載されている半導体はせいぜい3万~4万円であるが、これがハイブリッド、EVになれば倍の6万~7万円に急増する。さらに、ADASやコネクテッドカーが加速すれば現状に対して10倍となり、1台の自動車に30万円の半導体が使われる可能性すらあるのだ。

車載向け半導体の中でとりわけパワーデバイス市場は堅実に成長している。IGBT市場は三菱電機、富士電機、東芝などの日本勢が強く、世界市場の50%以上を押さえているといわれる。新世代のパワーデバイスはSiC(シリコンカーバイド)に移行すると予測されているが、ここで世界トップを狙っているのがロームである。こうした半導体を実装するプリント配線板分野においても、日本メクトロンは世界トップシェアを占有しているのだ。

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