「金日成・金正日バッジ」を手に入れる方法 必要なのは100ドルの寄付と忠誠心テスト

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

3番目の消息筋は、10年もの期間にわたって北朝鮮行きを繰り返した末に、ようやくバッジを贈られたという。

バッジを手にするまでにかかる時間は個々のケースによって違うようで、申請から数週間の場合もあれば、北朝鮮の取引先との親密な関係のおかげでもっと早くバッジを受け取れる場合もある。

北朝鮮ニュースの取材では書面化した規則の存在は確認できなかったが、バッジの交付にはゆるやかな指針があるものとみられる。

前出した3番目の消息筋の経験では、「(現地で案内役を務める)監視係のほか、どのような団体から北朝鮮に招かれたかによってだいたいが決まる」という。

「北朝鮮のことだから(バッジ交付の)手続きも、しっかり統制されていると思っていた。しかし、実際はかなり適当に行われているようだ」。この消息筋によれば、知人のうち何人かは、第三国に駐在する北朝鮮大使館でバッジを受け取ることさえあったという。

酒をおごった観光客にプレゼント

新たに導入された寄付金の支払いは、現在のバッジ申請手続きにおいては必須要件となっているようだ。だが、外国人が北朝鮮人から何の見返りも要求されずに、バッジを贈り物として受け取ることが不可能になったわけではない。

「そういうことが起きるのを公式、非公式の両方の場で目にしたことがある」と語るのは、前出の観光業関係者だ。ある外国人観光客が平壌のバーで地元の北朝鮮人と仲良くなったことがあるという。

「その観光客は(地元の北朝鮮人に)酒をおごった。そしたら、その北朝鮮人が『じゃあ、これをあげるよ』と小声で言って、バッジをその観光客に手渡したんだ」

円形のバッジ(写真:北朝鮮ニュース)

だが、バッジは慎重に取り扱わないと大変なことになる。この観光業関係者は、バッジにまつわる微妙な問題を指摘したうえで、「その観光客には北朝鮮を後にするまで誰にもこのことを話さないように言った」。行動を共にしている観光客の中で話を聞きつけた別の人間が、「誰彼構わず北朝鮮人にバッジをくれないかと聞いて回る」のを防ぐためだ。

現在製造されているバッジには、親指の爪くらいの大きさをした円形のものと、旗の形をしたもう少し大きなサイズのものがある。円形のバッジには笑顔の金日成主席と金正日総書記の肖像がそれぞれ個別に描かれており、旗の形をしたバッジは2人の肖像が隣り合ったデザインとなっている。バッジはこれまでに、いろいろなサイズ、デザインのものが製造され、一般国民と外国人の双方に与えられてきた。

次ページファッション・アイテムとしての側面も
関連記事
トピックボードAD
政治・経済の人気記事