結局のところ「米朝首脳会談」は実現するのか 失敗の歴史を振り返る

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5月16日、トランプ米大統領(右)は、来月開催予定の北朝鮮の金正恩朝鮮労働党委員長(左)との首脳会談の実現が不透明な情勢になっていることを認めたが、朝鮮半島の非核化を主張は続けるとの立場を示した。金氏の写真は2016年10月KCNA提供。トランプ氏はニューヨークで2016年5月撮影(2018年 ロイター/KCNA /Lucas Jackson)

[16日 ロイター] - トランプ米大統領は16日、来月開催予定の北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長との首脳会談の実現が不透明な情勢になっていることを認めたが、朝鮮半島の非核化を主張は続けるとの立場を示した。

北朝鮮は、米国が核開発計画放棄を一方的に主張し続けるならば米朝首脳会談への出席を再考する可能性があるとして、会談中止をちらつかせた。

北朝鮮に核放棄を促すため過去に行われたさまざまな試みは、北朝鮮が他国から攻撃される可能性を懸念したほか、米朝の敵対関係もあり、失敗に終わっている。

トランプ大統領と金委員長による史上初の米朝首脳会談が来月12日に計画された今回の経緯と、過去の失敗の歴史を振り返る。

今回の経緯は?

2017年─2018年、トランプ氏登場と歴史的計画

2017年1月に大統領に就任したトランプ氏は、北朝鮮問題で中国の習近平・国家主席に支援を求めた。韓国では同年5月、北朝鮮との対話路線を掲げる文在寅(ムン・ジェイン)氏が大統領に当選した。

米国に到達可能なミサイル発射実験などを北朝鮮が強行したことを受け、トランプ大統領は同年9月、国連演説で、米国は北朝鮮を「完全に破壊」せざるを得なくなると脅す一方、金委員長のことを「ちびのロケットマン」と罵倒した。金氏も「錯乱した米国の老いぼれを炎で黙らせる」との声明を出して応酬し、緊張が高まった。

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