外国人急増の高速道路に迫られる円滑な対応 安全対策を講じないと事故のリスクが高まる

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私自身、国内でもレンタカーをよく利用するが、営業所に着くとすでに外国人観光客の家族連れやグループが貸し出しの手続きの最中だということは珍しくなく、先日名古屋駅前の営業所で借りた時は、先客の3組はすべてアジア系外国人の利用客だった。当然のことながら、レンタカー利用が増えれば、高速道路を運転する外国人を見かける機会も増えると考えてよいだろう。

外国人運転者への対応

こうした外国人の高速道路の利用に対して、国やNEXCO各社、あるいは関連業者はさまざまな施策を講じつつある。主なものは、

1) 高速道路の番号付与(ナンバリング)

2) 外国人運転者向けのハイウェイ乗り放題パスの販売

3) 高速道路での電光掲示の英語対応

4) サービスエリア等での免税店の設置

などだが、他にも高速道路だけでなく一般道についてもいえる施策として、

5) 車両への外国人専用ステッカーの掲示の推奨

6) 外国語対応や簡便な観光地マップコードシステムを利用したカーナビの貸し出しサービス

7) 外国人に対する増加する交通事故への注意喚起

なども始まっている。

1)はすでに2017年2月から順次実施されており、基本的に並行する国道の番号と同じ番号の前に高速道を示す「E」をつける。たとえば国道1号線に一部を除いてほぼ並行する東名・名神は「E1」、国道18号線に並行する上信越道は「E18」といった表示である。欧米各国や中国・韓国でも高速道路のナンバリングは早くから実施されているが、国道の番号を借用するのは、イギリスの高速道路のナンバリングと同じ付与の方法である。

2)は、「ジャパン・エクスプレスウェイ・パス」と呼ばれ、JRの「ジャパン・レイル・パス」やヨーロッパの鉄道で利用される「ユーレイル・パス」のように一定期間内は決められた範囲なら何度でも自由に乗れるタイプのチケットである。全国版は、北海道内や都市高速など一部の例外を除いて日本全国の高速道路が無料で乗れるパス(実際にはETCカード)が7日間で2万円、14日間で3万4000円となっている。

また、北海道限定、名古屋都市高速限定など地域を限定したパスも販売されている。日本人でも高速道路のヘビーユーザーならぜひ手に入れたいという気持ちになるが、購入には海外籍のパスポートが必要なので、日本人の購入は当然できない。JR全線がほぼ乗り放題の「ジャパン・レイル・パス」(普通車7日間大人29110円、14日間46390円)を日本人が購入・利用できないのと同じ仕組みである。

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