男性の育休取得を阻み続けている「3つの壁」 意識の壁、雰囲気の壁、そしてもう1つは…

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だが、現状は寂しい限りである。

2016年度雇用均等基本調査によると、男性の育休取得率は3.16%となり、2015年度の同調査では育休を取得した男性の半数以上が5日間未満だったことも分かった。5日間未満となると、本人が本気で育児と向き合う期間としては短く、「ワンオペ育児」や健診、病気、予防接種などの経験を積めないだろう。

また、日本労働組合総連合会(連合)が行った「パタニティ・ハラスメントに関する意識調査(2014年)」によると、子供がいる男性の45.5%が育休を「取得したことはないが、取得したかった」と回答した。世代別にみると、20代で58.3%、30代で49.2%、40代で50.3%となり、取得を諦めている現状が浮き彫りとなっている。

「3つの壁」が育休を取得しにくくしている

男性が育休を取得しにくい背景について、筆者は「3つの壁」があると考えている。

1つ目は「意識の壁」である。

前出の連合の調査結果によると、男性の約半数は「育休を取得したことはなく、取得したいと思わなかった」と回答している。要するに、本人の意識として自分が育休を取得する必要があると考えておらず、育休を取るという発想すらない。

2つ目は「雰囲気の壁」である。

このパータンは文字通り、職場の雰囲気に気圧され、育休の取得を躊躇してしまう。育休取得を希望または取得済みの男性に筆者がヒアリングすると、よくそんな悩みを聞く。

そして、3つ目は「収入の壁」である。

育休中の給与は企業によって異なるが、一般的に無給のケースが多いとされている。2017年就労条件総合調査の概況によると、男性会社員の有給取得率は46.8%となり、未消化の有給休暇が半分以上も余っている状態となる。つまり、男性には無給の育休を取得するメリットはない。

そこで提案したいのが、男性も育休を取ったほうが「お得」になる「韓国式」である。

筑紫女学園大学・裵海善教授が育休制度を国際比較した論文によると、韓国では、子供が8歳以下または小学校2年までなら、夫婦ともにそれぞれ1年以内の育休を取得できる。

ただし、給付金は同一の子供に対して夫婦が同時に受給できない仕組みとなっている。給付金は、最初の3カ月で賃金の80%(上限額あり)、4カ月目以降でも40%(上限額あり)に相当する金額が支給される。

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