NY外為市場、ドルがほぼ全面高 米上院での超党派合意を好感
[ニューヨーク 16日 ロイター] - 16日終盤のニューヨーク外為市場では、米上院の与野党指導部がデフォルト(債務不履行)回避に向けて合意に達したことを受け、ドルがほぼ全面高となった。
市場では既に超党派合意への期待が広がっていたため、この発表前にドル/円は一時98.97円と9月27日以来約3週間ぶりの高値をつけ、ユーロ/ドルも2週間ぶりの安値となる1.3472ドルに下げる場面があった。
終盤のドル/円は0.7%高の98.81円、ユーロ/ドルは横ばいの1.3526ドル、ポンド/ドルは0.3%安の1.5951ドル、ドル/スイスフランは0.1%高の0.9137フラン。
米上院のリード民主党院内総務とマコネル共和党院内総務は、17日に期限が迫っていた連邦債務の法定上限を引き上げ、政府機関も再開させることで合意し、上下両院における迅速な法案可決を目指すと表明した。
今回の法案が成立すれば来年2月7日までの借り入れが可能となるとともに、1月15日までの政府機関への予算が手当てされる。
米上院における超党派合意についてRBSセキュリティーズの通貨ストラテジスト、ブライアン・デンジャーフィールド氏は「下院でも同様の合意が成立しそうなため、ドルにとって目先の好材料といえる。下院が法案として承認すれば、大きな局面転換だ」と話した。
ただ財政問題が前進したとしても、これまでの政治対立の影響で米連邦準備理事会(FRB)の資産買い入れ(量的緩和)縮小時期が遅れそうであるため、ドルは一時的に押し上げられるだけに終わる可能性が大きい、というのがアナリストの見方だ。
BNYメロンの市場戦略ディレクター、 スマージト・シャンカー氏は「FRBが年内は量的緩和の規模を維持する蓋然性が高いことで、ドルが劣勢に立つ状況が続きそうだ」としている。
また米国の政治の行き詰まりが注目される場面は一段落する見込みで、今後は同国の経済ファンダメンタルズが再び脚光を浴びるとみられる。
ウェスタン・ユニオン・ビジネス・ソリューションズのシニア・マーケットアナリスト、ジョー・マニンボ氏によると、足元の政府機関閉鎖が経済成長の足を引っ張りそうで、ドルの基本的な健全性はやや疑わしくなっているようだとみている。
ドル/円 終値 98.72/79
始値 98.44/45
前営業日終値 98.18/20
ユーロ/ドル 終値 1.3532/34
始値 1.3559/60
前営業日終値 1.3523/25
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