ボルボ「XC40」、専門家が絶賛するSUVの真価 コンパクトで都会派な新型車の実力を診断

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リアスタイルもひと目で見てボルボ車とわかる雰囲気を出している(写真:ボルボ・カー・ジャパン提供)

ただし、この車幅はメルセデス・ベンツ「GLA」やアウディ「Q3」といった同クラスのコンパクトSUVが1800mm前半の数字であるのと比べて結構広め。マンションや商業施設の機械式駐車場に収まりきらないケースは結構ありそうだ。自宅の駐車場の広さに制限がある人の場合は買いたくても買えないかもしれない。これは日本人が抵抗を覚える数少ない要因といってもいい。

XC40は、今後の40シリーズに展開されるコンパクト系のプラットフォーム「CMA(コンパクト モジュラー アーキテクチャー)」が採用された最初のモデルとなる。

驚かされてしまったのは、優れた操縦性。試乗したのは、20インチのタイヤを装着した「XC40 T5 AWD R-DESIGN 1st Edition」だが、強固な骨格構造としなやかに動く足回り、走る、曲がる、止まるといった基本性能を磨き込むことで、SUVでありながら、走行時に路面から受けた衝撃でウワつくような不安定な動きを感じさせない。

ペダル操作やハンドルの切り込み具合から、車両は常にドライバーが意図する走行ラインを丁寧に辿る走りで、狭い峠道を通過する際も、クルマを自分のコントロール下に置いている安心感を与えてくれる。

まるで一筆書きで描くように

今回の限定車に搭載されたT5のパワートレーンは、直列4気筒、排気量2Lエンジンの出力を252馬力まで高め、8速ATとの組み合わせとなるが、アクセルペダルは足底に力を込めたぶんだけ、丁寧にタイヤが転がり出して、車速がコントロールしやすい印象。車体が前後に揺すられにくいので、同乗者も快適に移動することができそうだ。

ハンドルは僅かな切り込みから、ドライバーの意図を察してくれるもので、連続するカーブでは、車体全体の動きをまるで一筆書きで描くようにして走らせていける。狭い道幅の道路でも身のこなしにもたつきを感じにくく、広めの車幅を持て余す不安を感じにくい。

狭い場所では標準装備となる360度ビューカメラが強い味方。4つのカメラが捉えた映像を、まるでクルマを頭上から見下ろしたような映像としてモニターに映し出す。自車と障害物との位置関係や車庫入れ時の駐車枠を感覚的に捉えられるので、クルマをぶつけるリスクが減らせそうだ。

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