核実験場廃棄だけでは非核化にならない理由 核兵器開発の関連施設は100~150カ所もある
ただし、入り口を塞いだだけでは、再使用される懸念も残ってしまう。
この問題に関連して、韓国の有力ケーブルニュースJTBCが5月1日、正恩氏が、3月末から4月初めにかけ、極秘に訪朝したマイク・ポンペオ米国務長官との会談の中で「核施設を全て見てもかまわない」と発言していたことが分かった、と伝えた。
北朝鮮の核施設の全容は分かっていない
しかし、過去40年以上かけて開発されてきた北朝鮮の核施設の全容は、いまだに分かっていないのが実状だ。
昨年7月に38ノースが、「核、生物、化学兵器の概要」と題した調査報告書を発表した。この中で、北朝鮮内には核兵器開発の関連施設が100~150カ所にもなり、研究開発や核兵器製造・実験に携わる人員数が9000~1万5000人に及ぶとの試算を明らかにしている。
韓国国内の分析や北朝鮮当局者の過去の発言などを総合したもので、正確な場所が不明な施設も多い。
文大統領は、核実験場を公開するという正恩氏の発言を、懸命に後押ししている。1日には国連のグテレス事務総長に電話をかけ、国連も豊渓里核実験場の閉鎖現場に立ち会って欲しいと要請した。
しかし、豊渓里核実験場1カ所を廃棄しただけでは、国際社会と、気まぐれなトランプ米大統領に「非核化への意欲」を納得させるのは難しそうだ。米朝首脳会談は、1カ月ほど後に迫っている。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら