スプリントとTモバイル、ついに合併に合意 ソフトバンクの持分法会社に
[東京 30日 ロイター] - ソフトバンクグループ<9984.T>は30日、子会社で米携帯電話4位のスプリント<S.N>が同3位のTモバイルUS<TMUS.O>と合併することで合意したと発表した。第5世代(5G)移動通信サービスの導入を控え、合併により規模拡大と合理化を進め、ベライゾン・コミュニケーションズ<VZ.N>とAT&T<T.N>の「2強」に対抗する。
新会社の社名は「TモバイルUS」。スプリント1株に対して、TモバイルUS株0.10256株を割り当てる。新会社の株主構成はTモバイルUSの親会社であるドイツテレコム<DTEGn.DE>が41.7%、ソフトバンクグループが27.4%、TモバイルUSの旧一般株主が25.3%、スプリントの旧一般株主が5.6%。新会社はソフトバンクグループの持ち分法適用関連会社となり、子会社から外れる。
最高経営責任者(CEO)には現TモバイルUSのジョン・レジャーCEOが就任する。取締役は14人で、ドイツテレコムが9人、ソフトバンクグループが4人を指名。主導権はドイツテレコムに渡すが、ソフトバンクグループの孫正義社長とスプリントのマルセロ・クラウレCEOも取締役に加わる。
2019年半ばまでの取引完了を目指す。
5Gネットワークの構築には巨額の投資が必要となるため、スプリントの先行きを懸念する声があった。合併により効率的な投資を進め、5Gサービスでの競争力を確保する。現時点で60億ドル(6540億円)以上のコストシナジーを見込んでいる。
今後の焦点は米連邦通信委員会(FCC)や米司法省反トラスト局などが承認するかどうかに移る。
ソフトバンクは2013年にスプリントを買収して以降、経営再建を進めてきたが、米携帯電話市場は上位2社と下位2社との差が大きく、孫社長は下位2社の合併による「第3極」の必要性を訴えてきた。ただ、寡占化が進むことで逆に競争が停滞することを懸念したFCCが合併に難色を示したことで、単独での再建を強いられてきた経緯がある。
(志田義寧)
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