昔は構内に浴場も!「名古屋駅」大変貌の歴史 6階建てから高層ビルへ、リニアでまた変化
「のぞみ」と名古屋といえば、話題を呼んだのは「名古屋飛ばし」だ。当初、朝一番の「のぞみ」だった下り「のぞみ301号」は東京駅を出ると、途中は新横浜駅にのみ停車し、名古屋、京都は通過して新大阪までを2時間30分で結んだ。
これは「のぞみ」のキャッチフレーズだった「東京―新大阪間2時間半運転」を実現させるためのダイヤだったが、前代未聞の名古屋通過は「名古屋飛ばし」として名古屋市民や経済界、地元メディアから批判が相次いだ。その後、名古屋と京都に停車しても東京―新大阪間2時間30分運転が可能となったため、1997(平成9)年には解消された。
リニア開業でどう変わる?
今回の執筆にあたり、久しぶりに長時間にわたって名古屋駅構内を歩いてみた。駅構内の中央コンコースなどは旧駅舎時代と基本的に変わっていなかったが、列車案内はかつてのブラウン管表示からデジタル表示に変わり、かつて待ち合わせ場所の定番だった西口(太閤通口)の大壁画も巨大ディスプレーによるデジタル広告となっている。西口を出ると駅前には大規模商業施設が立ち並び、昭和30年代の「駅西」を知る筆者には特に感慨深い。
「JRセントラルタワーズ」は名古屋のランドマーク的存在となったが、このセントラルタワーズの完成によって駅前も大きく変化した。駅前ビルの象徴だった「大名古屋ビルヂング」は高層ビルに生まれ変わり、付近の毎日ビル、豊田ビルも新しい高層ビル「ミッドランドスクエア」となった。筆者は20代のころ、このビル内にあった「毎日ホール大劇場」で初めて70mm映画を見た。「セントラル劇場」や「テアトル名古屋」で『ウェストサイド物語』などを見た思い出もよみがえってくる。
発展を続けるJR名古屋駅の1日平均乗降者数は2015年に40万人を超えたという。今後は2027年に開業が予定されているリニア中央新幹線の乗り入れによって、ますます東海道メガロポリスの中で大きな地位を占めようとしている。リニア中央新幹線開業のときには1946年生まれの私は生きているかどうか微妙な年齢になるが、それまでは2020年に新型車両N700Sが営業運転を開始する予定の東海道新幹線に乗って、名古屋駅をせいぜい利用したいと思っている。
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