アマゾンが広告業界を根底から破壊する必然 いま「広告のルールチェンジ」が起きている

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山田:アマゾンのサイト内でどのように表示されるかがてきめんに売り上げに影響する。アマゾンでの表示をうまく最適化できれば、ベンチャー企業の商品であっても飛ぶように売れる。モバイルバッテリーなどのスマートフォン周辺機器では、多くのベンチャー企業が「アマゾンで売ること」に集中することで、効率的に成長しました。

アマゾンはデータマーケティングで先端を行っており、ほかを突き放している(写真:ロイター)

笠松:データマーケティングでアマゾンは先端を行っており、ほかを突き放している。僕はそれでいいと思うんです。そういうものを止められないし、止める必要はない。アマゾンという存在があることを粛々と受け止めつつ、足りないパーツって何だっけ?と考えていく時代なのかもしれない。アマゾンがやっていないことを考え、どうするともっとみんなが幸せになるのか、ということをやっていくのが広告業界の仕事になるのかもしれません。

山田:アマゾンが笠松さんのようなプロのマーケッターを何人も雇う日が来るのかもしれませんね。もし、「ぜひ来てください」と言われたらどうしますか?

笠松:即、行きます。断る理由がありません。

今はルールチェンジの時代

笠松:今はあらゆるものが混沌としている時代です。カオスの時代であり、広告業界においてもゲームチェンジ、ルールチェンジが始まっている。だから、今までにないほどの大きなチャンスがあると思うんですよ。

ルールチェンジが始まっている(編集部撮影)

ゲームのルールが変わるタイミングにビジネスをできているというのは、超幸せなこと。なにしろ広告業界は過去50年、ゲームチェンジなんてなかった。(電通の)吉田秀雄さんが築いてくれたすばらしいビジネスモデルのおかげで、誰も困ることなく、みんなが成長できた。それが今このタイミングでゲームチェンジ、カオスのタイミングが来たというのは、すごくチャンス。資産をたくさん持っていない会社であっても、何かのアイデアひとつだけで突破できる可能性がある。大手だけが勝ち組になるかどうかは、もはや分からない。広告業にとって、今はとても楽しい時代だと思います。

山田 俊浩 東洋経済 記者

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やまだ としひろ / Toshihiro Yamada

早稲田大学政治経済学部政治学科卒。東洋経済新報社に入り1995年から記者。竹中プログラムに揺れる金融業界を担当したこともあるが、ほとんどの期間を『週刊東洋経済』の編集者、IT・ネットまわりの現場記者として過ごしてきた。2013年10月からニュース編集長。2014年7月から2018年11月まで東洋経済オンライン編集長。2019年1月から2020年9月まで週刊東洋経済編集長。2020年10月から会社四季報センター長。2000年に唯一の著書『孫正義の将来』(東洋経済新報社)を書いたことがある。早く次の作品を書きたい、と構想を練るもののまだ書けないまま。趣味はオーボエ(都民交響楽団所属)。

 

 

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