日経平均は3日ぶり反発、後場は伸び悩み シリア情勢・米保護主義への懸念が緩和
[東京 13日 ロイター] - 東京株式市場で日経平均は3日ぶりに反発した。シリア情勢への警戒感が和らいだことで前日の米国株が上昇したほか、トランプ米大統領がTPP(環太平洋連携協定)の復帰検討を指示したことが明らかとなって、米国の保護主義姿勢への懸念も緩和した。景気敏感株に買い戻しが入って、上げ幅は一時250円を超えた。ただ、高値圏では戻り売りに押され、後場にかけて伸び悩んだ。
TOPIXは前日比0.63%高で取引を終了。東証1部の売買代金は2兆4390億円だった。東証33業種中、上昇率トップは海運。鉄鋼、銀行、機械がこれに続いた。半面、サービス、小売など内需セクターは下落した。
日経平均は朝方に買いが先行し、一時2万1917円35銭に上昇した。その後は、2万1800円を挟んでのもみ合いに移行した。
前日に2018年8月期の業績予想を上方修正して堅調に推移していたファーストリテイリング<9983.T>は、大引けにかけてじりじりと上げを縮小し、一時マイナスに転じた。一方、19年2月期が14.7%の営業増益となる見通しと自社株買いを発表した安川電機<6506.T>は買い先行後、下げに転じた。
後場にはトランプ米大統領の「日本は長年にわたって通商でわれわれに大きな打撃を与えている」との発言が伝わった。これを受けて日経平均は値を消す場面があった。ただ、大引けにかけては持ち直し、底堅さも意識されるなど、方向感の定まらない動きとなった。
市場では「日米会談を意識した動きがいっとき見られたが、為替がそれほど動かなかった。リスクオンになりつつあるが、戻り待ちの売りもあって上値も重い」(証券ジャパン・調査情報部長の大谷正之氏)との見方が出ていた。
日経平均ボラティリティ―指数<.JNIV>は取引時間中としては今年2月2日以来、2カ月ぶりの水準まで低下した。
個別では、CSP<9740.T>がストップ高。2018年2月期の期末配当予想の引き上げと、19年2月期の純利益の増益予想を12日に発表し好感された。JR東日本をはじめとした鉄道会社向けの今後の大規模イベントに備えた警備強化、さらには前期に受注した沖縄の海上警備などの寄与を見込む。
一方、明光ネットワークジャパン<4668.T>が急落し、年初来安値を更新。2017年9月─18年2月期の中間期連結営業利益が前年比41.8%減だったと12日発表したことが嫌気された。主力の学習塾事業でテレビCMの放映回数を増やしたことや、ICTコンテンツなどの戦略投資が響いた。
東証1部の騰落数は、値上がり1368銘柄に対し、値下がりが638銘柄、変わらずが76銘柄だった。
日経平均<.N225>
終値 21778.74 +118.46
寄り付き 21801.41
安値/高値 21746.69─21917.35
TOPIX<.TOPX>
終値 1729.36+10.84
寄り付き 1728.15
安値/高値 1724.93─1735.82
東証出来高(万株) 152766
東証売買代金(億円) 24390.87
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら