300万人のドバイが観光収入3兆円を稼ぐワケ ド派手なドバイワールドカップに行ってきた

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いよいよ当日。厳重な手荷物検査を潜り抜けて中に入ると、メイダン競馬場の「ギャラリーレベル1」はまことに贅沢な空間であった。

客席は客数より多くて余裕があり、日本のG1レースの混雑を考えると夢のような空間である。歩いて行けば、そのまま芝コースやパドックの前に立つこともできる。エアコンの効いたフロアでは飲食はタダであり、信じられないことにビールまで飲ませてくれる。ここは本当にイスラム圏なのだろうか?

観客席は余裕があり見やすい。日本のG1の混雑ぶりを考えると、夢のような空間(筆者撮影)

フロアの方では、競馬そっちのけでパーティーモードになっている人たちもいる。

競馬そっちのけで、ほとんどパーティーモードになっている人たちも(筆者撮影)

この雰囲気、3年前に訪れた英国のロイヤルアスコットとそっくりだ。要は善男善女が礼装で出かけてくる。特に女性の帽子はまことに豪華絢爛。競馬とはギャンブルではなくて、紳士淑女の社交場なのである。

そう、この競馬場には勝ち馬投票券が存在しない。その代わりに来場者にはPick6というマークシートが渡される。6レース分の1着馬を全部当てると、5万ディルハム(150万円くらい)の賞金が出るという宝くじみたいなゲームだ。Win5をやり慣れている人ならすぐにお分かりだろう。ハッキリ言って当たる気遣いはほとんどない。

午後3時45分、最初のレースが始まった!  

これが本物のカップ(筆者撮影)

最初のレースの開始時刻は午後3時45分。日が高いうちは小手調べで、1Rから5Rまではまことにゆったりしたペース。出走が定刻より少し遅れるくらいは当たり前。他会場のレースもないから、実にのんびりしている。これに比べれば、日本の3会場同時開催というスケジュールはじつにせわしないものに思えてくる。

6Rからの4レースはネット経由、JRA(日本中央競馬会)を通じてでも馬券が買えるレースとなる。さあ、ここからが本番だ、と会場の日本人客に熱がこもってくる。気がつけば夜空には満月も浮かんでいる。アラビアンナイトのはじまりである。

6R「ドバイゴールデンシャヒーン」は下馬評通り、アメリカ勢が上位3着を独占。問題はここからで、7Rのドバイターフ、8Rのドバイシーマクラシックは日本勢が多数参加する。なにしろドバイターフは日本勢が2連覇を遂げているくらいだ。会場のアナウンサーは、しきりと「最近は日本勢が有力ですが…」といった話を解説者に振っている。一方でJRA販売のオッズは、明らかに日本馬が実力以上に買われている。英国のブックメーカー、パディパワー などのオッズと比べると明らかに違っているではないか。

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