VW「ポロ」8年ぶり刷新で見せた進化の本質 コンパクトハッチとしては集大成の出来だ

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その後、VWのみならず、トヨタの「TNGA」(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャー)、スバルの「SGP」(スバル・グローバル・プラットフォーム)、ボルボの「SPA」(スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャー)など、雪崩を打つかのように各社モジュラー式プラットフォームに名前を付けてアピールするようになった。

マツダのスカイアクティブ・テクノロジーの一環である「スカイアクティブ ビークル アーキテクチャー」もそのたぐいだ。モジュラー式プラットフォームを採用して登場したここのところのモデルは総じて評判が高い。何車種にも展開するということで、コストをかけて作り込むことができるからだろう。逆にベースとなるモジュラー式プラットフォームがダメならそのメーカーのクルマはどれもダメということになってしまう。

ポロもいわゆる3ナンバーサイズとなった(写真:フォルクスワーゲン日本)

さて新型ポロはMQB採用車では最小とはいえ、従来のポロに比べると全長、全幅がそれぞれ65mm拡大されて4060mm、1750mmとなった。全高は10mm低くなって1450mm。ホイールベースは80mm伸びて2550mm。ポロもいわゆる3ナンバーサイズとなり、1996~2006年に販売された4代目ゴルフとほぼ同サイズ。現行型ゴルフと比べると、全長は205mm短く、全幅は50mm狭く、全高は50mm低い。ホイールベースも85mm短い。今のゴルフは巨大なのだ。世代交代のたびに拡大し続け、下に新たなモデルが追加されていくのがドイツ車の常である。

大きくなった分、室内と荷室の空間は拡大

乗り込むと、大きくなった分はきちんと室内と荷室の空間拡大に充てられているのがわかる。前後席ともに前後左右に余裕が増した。後席で長時間過ごすことになっても窮屈な思いをすることはないだろう。相変わらず車内の仕立てはすばらしい。特に高級な素材が使われているわけではないが、シートを含む内装の隅々まで品質面で気配りされているのがわかる。ステアリングホイールやシフトノブ、それに各種スイッチ類の操作性も悪くない。

荷室は従来比71リッター拡大し、351リッターに(写真:フォルクスワーゲン日本)

荷室は従来比71リッター拡大し、351リッターとなった。ゴルフバッグをそのまま積載するには左右幅が足りないため、積み込むなら分割可倒式のリアシート背もたれのどちらかを倒すことになる。筆者がゴルフ好きなのと、東洋経済オンラインの読者の中にはゴルファーも多そうな気がしたためにゴルフバッグを例に出したが、一般的には凹凸が少なく、たとえばスーツケースを複数積み込むには理想的な形状をしている。

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