今年も当初合格者数では、東洋大学が3000人以上合格者を減らしたのをはじめ、早稲田大学、明治大学、立教大学、青山学院大学でも、大きく合格者を減らしている。その後、多くの大学が”追加合格”を出しているが、この発表方法は、親にとって経済的負担が大きい。
追加合格になるかどうかはわからず、すでに合格を勝ち取っている大学に入学手続きを取っている場合が多いからだ。子どもの第1志望校から追加合格の知らせが来れば、当然、第1志望校に入学したくなる。そうなると最初に手続きを取った大学の入学金相当額はムダになってしまう。
このように定員厳格化の影響で、上位の大規模大学が合格者数を減らし、その結果、昨年同様、学生集めが厳しい大学に学生が流れることになった。比較的、小規模な大学が多いと見られるが、小規模大学と一口に言っても、評価の高い大学も少なくない。
大学通信は毎年、全国約2000進学校の進路指導の先生にアンケート調査を実施し、2017年は685校から回答を得ている。その調査の中で「小規模だが評価できる大学」はどこかを聞いた。5校連記で大学をあげてもらい、最初に記載した大学を5ポイント、次を4ポイント、次を3、2、1……として集計したのが、「小規模だが評価できる大学ランキング」だ。
なお、「小規模大学」の定義については、学生数など明確な基準はなく、投票した高校の先生の判断に委ねられていることを、お断りしておく。ここでは多くが入学定員2000人以下の大学で、最大でも入学定員4000人程度の大学が対象になっている。
1位は国際教養大学、東京のトップ校からも入学
1位は国際教養大学だ。秋田にある公立大で、国際教養学部の単科大学である。2004年に開学した比較的新しい大学で、講義はすべて英語のうえ、在学中に1年間の留学が必須。さらに1年次は全学生が外国人留学生と一緒に寮生活を送る。留学生が多いこともあって、24時間オープンの図書館もある。現在、多くの大学で実施されるようになってきた、グローバル教育の草分けといえよう。
高校の進路指導の先生からも、「学生に合わせるより社会が求めるレベルの内容を学生に教え、引き上げようとしている」(北海道・道立高)、「語学教育、国際教育の点で、ユニークな取り組みを行っている」(熊本・県立高)など、高く評価されている。5年かけて卒業する学生も多いが、有名企業への就職率は高い。難易度も創設当時と比べると、10ポイント以上アップし、難易度が高くなっている。
今年の合格者の出身高校を見ると、上位には地元秋田の高校が並ぶが、日比谷、開成など、東京の公私立トップ校も上位にきている。まさに全国区の人気だ。
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