JR西日本はなぜ「天皇」井手正敬と決別したか 新幹線「台車トラブル」と福知山線脱線事故
 
「個人のエラー」か「組織事故」か
「事故において会社の責任、組織の責任なんていうものはない。そんなのはまやかしです。個人の責任を追及するしかないんですよ」
約20年前にJR西日本の社長を務め、社内で「天皇」と恐れられた辣腕の元カリスマ経営者、井手正敬氏が、私に語った言葉である。
一方、現在の来島達夫社長は「目指すリーダー像なんて考えたり、人前で語ったりしたことがない」と言う物腰柔らかな人物。事故防止の取り組みをこう語った。
「全社を挙げてリスクアセスメントに取り組んでいますが、職種やエリアが多岐にわたることもあり、本当に定着しているかと言えば、まだまだそうではない」
JR西日本が、昨年12月の新幹線重大インシデントを受けて新年度からいくつかの再発防止策を打ち出したというニュースを見ながら、私は『軌道 福知山線脱線事故 JR西日本を変えた闘い』(東洋経済新報社)の取材過程で聞いた、新旧2人のトップの言葉を思い出した。





 
         
         
        
       
        
       
           
          
         
          
         
          
         
         
         
         
        












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