バブル世代が考えるべき「老後3つの選択肢」 60歳が近づいてからでは遅すぎる

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多くの人は、どんな仕事に就きたいと考えているのでしょうか。下記のアンケート結果が参考になりそうです。60歳から69歳が理想的に思う仕事を選んでもらっています(内閣府国民生活に関する世論調査より)。

自分にとって楽しい仕事 61.4
収入が安定している仕事 60.6
自分の専門知識や能力がいかせる仕事 41.3
健康を損なう心配がない仕事 32.9
世の中のためになる仕事 30.3
失業の心配がない仕事 26.4
高い収入が得られる仕事 15.2
その他 0.1
わからない 2.4
計(M.T.) 270.4

仕事と生きがい、健康には、大きな関係性があります。

60歳以上の人は経済的な豊かさより、心の豊かさを求める傾向にあります。無理をして高い収入を得るよりも、楽しく働きたいと考えています。そして、仕事での達成感は何よりの生きがいになっているようです。仕事は経済を豊かにするだけでなく、心と体の健康にも多くの影響を与えます。ストレスにならない程度に楽しみながら仕事ができるのが、60歳以降の働き方としては最適ではないでしょうか。

そして、老後、最も気になるのが介護です。50歳になると親の介護をしている人は増えてきます。自分は介護される人になりたくないと感じるのも、ちょうどその頃です。私の周りでも、仕事を辞めて数年で認知症を発症した人を何人か知っています。そのことから、私は仕事と認知症の発症には何らかの関係があるのではないかと感じていました。

実際、フランスの研究チームは2014年5月に『European Journal of Epidemiology』誌の中で、認知症を発症するリスクは、仕事を引退したときの年齢が上がるほど減少すると発表しています。この調査は、仕事をなるべく長く続けたほうが、認知症の発症を予防できるということを示しているのではないでしょうか。

このことからも、仕事を長く続けるのは、経済面だけでなく、生きがいと健康の両面でよい結果につながるといえるでしょう。今から60歳以降のこともイメージし、準備を進めていただきたい理由の1つが、ここにあります。50歳を過ぎた人には、これからの長寿時代に合わせたプランづくりをお勧めします。

料理を一品覚えるだけで、人生がガラッと変わる!

今回、64歳になっているAさんには、地域コミュニティへの参加をお勧めしました。地域の自主事業などには、男性向けの料理講座などがあります。一品でも料理を覚えて、作る楽しさが実感できれば、時には奥さんを喜ばせることもできますし、レパートリーの幅を広げられ、料理に開眼するきっかけにもなります。奥さんも、今まで料理をしたことのない夫に作ってもらえたら、どんなにうれしいことでしょう。

ほかにも、趣味の講座も歌や写真撮影など、至る所で多数行われています。地域事業の講座は、費用もそれほどかかりません。同じ趣味を持つ友人ができるきっかけにもなります。楽しい時間を共有する仲間ができれば、孤独な時間を過ごさなくて済みます。Aさんもまた、求人サイトにも登録を済ませ、負担のない程度で仕事にも挑戦しようとしています。短時間勤務で、近くで働けるところが見つかったら始めてみようと、今からどきどきわくわくしているようです。

読者の皆さんも生きがい、健康と経済のゆとりが生まれる未来設計をぜひ立ててみてください。

木田 美智子 ファイナンシャルプランナー(CFP®)

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きだ みちこ / Michiko Kida

郵便局で37年間勤務、退職後、独立。多くのお客様との出会いと経験を生かし「気軽に相談できるファイナンシャルプランナー」として活躍中。「確定拠出年金相談ねっと」認定のFP、DCアドバイザー、金融知力インストラクターや、各種FP団体役員としても活躍。大学の資格取得講座講師や横浜市内の小学校で「上手なお金の使い方」の講師など金融教育にも力を入れる。郵便局社員向けやFP向けなどの各種セミナー活動も熱心に行っている。

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