タニタが「食堂」の次に「カフェ」を出す狙い 看板商品は"噛む"スムージー、「カムージー」

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新宿のパイロット店では、活動量計などタニタの自社商品が展示・販売されている(記者撮影)

タニタカフェのパイロット店では、体組成計や活動量計など自社商品を展示し、販売している。今後、本格展開する店でも販売するが、あくまでも自社商品を知ってもらうためだ。タニタ食堂やタニタカフェの取り組みは、タニタのビジネスにどのようなメリットがあるのか。会社側は「タニタ食堂の展開によりブランド認知が高まり、体組成計などの販売にもよい影響が出ている」とする。

人材確保にもメリットが出ている。タニタは体組成計やはかりを使う人にとっては身近な企業だが、非上場ということもあり、以前の認知度はいま一つだった。しかし、レシピ本やタニタ食堂で知名度が上昇、就職活動中の大学生からの応募も増加したという。

ポイントカードは「歩数計」機能付き

タニタの谷田千里社長(中央)は、創業家の3代目。タニタ食堂など新規ビジネスに力を入れている。両端の女性が持っているのが歩数計機能付きのポイントカード(記者撮影)

飲食店事業へのタニタの向き合い方が透けて見えるのがポイントカードだ。店舗で発行されるポイントカードは、歩数計にもなっている。歩数のログをアプリで確認することができ、歩数や来店回数に応じてポイントがつく。ポイントがたまるとタニタのグッズがプレゼントされる。カフェを使うことで、タニタの製品に自然に興味を持ってもらうという仕組みだ。

こうした食堂やカフェ事業そのものによる収益面での効果は限定的とみられる。だが、消費のトレンドが多様化する中、消費者との新たな接点を作らなければ、新商品や新サービスを生み出すことは難しい。はかりメーカーから健康総合企業への脱皮を目指しているタニタの取り組みに注目が集まる。

遠山 綾乃 東洋経済 記者

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とおやま あやの / Ayano Toyama

東京外国語大学フランス語専攻卒。在学中に仏ボルドー政治学院へ留学。精密機器、電子部品、医療機器、コンビニ、外食業界を経て、ベアリングなど機械業界を担当。趣味はミュージカル観劇。

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