JASRAC、徴収開始でも続く著作権料巡る争い 4月1日に「音楽教室」からの徴収開始だが・・・

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音楽教室側は徹底抗戦の構えを示し、2017年2月にはヤマハ音楽振興会や河合楽器製作所など音楽教育事業を営む団体・企業が、「音楽教育を守る会」を結成。同年6月にJASRACが音楽教室に著作権使用料を徴収する内容の使用規定を文化庁に届けたが、同月に守る会は「JASRACに徴収権限はない」として東京地裁に提訴した。

守る会は裁判の判決が出るまで徴収を保留するように求め、同年12月に文化庁に裁定を申請していた。そして今回の文化庁長官による守る会が求めた徴収の保留は行わないとの裁定を受け、JASRACは音楽教室からの徴収を開始することになったのだ。

守る会は徴収に応じない姿勢

だが、申請が認められたからといって、これで一件落着とはならない。

今回の著作権料の徴収開始で、音楽教室の受講者にはどのような影響があるのだろうか(写真:Graphs/PIXTA)

文化庁は徴収に際し、司法判断によって請求権が認められるまでは個別の督促をしないよう求めた。JASRACはこれに従い、徴収に応じない事業者に対し、裁判の結果が出るまで督促しないという。前出の守る会には365事業者が加盟しており、同団体は司法判断が出るまで徴収に応じない構えだ。

仮に音楽教室が著作権料を支払う必要性があるという判決が出た場合、音楽教室側はJASRACが徴収を開始する2018年4月1日まで遡及して、著作権料を支払う必要がある。

一方、音楽教室に支払う必要がないという判決が出ると、JASRACが作曲者に分配した著作権料を回収し、すでに著作権料を支払った音楽教室に返還しなければならない。いずれの判決が出ても、それぞれの立場で混乱が生じる可能性がある。

守る会もJASRACも一歩も譲らない姿勢を見せており、上級審にまで持ちこまれた場合、最終的な判決が下るまで3年程度かかると見られる。音楽教室対JASRACの争いに決着が着くまでは時間がかかりそうだ。

遠山 綾乃 東洋経済 記者

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とおやま あやの / Ayano Toyama

東京外国語大学フランス語専攻卒。在学中に仏ボルドー政治学院へ留学。精密機器、電子部品、医療機器、コンビニ、外食業界を経て、ベアリングなど機械業界を担当。趣味はミュージカル観劇。

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