雪を吹き飛ばす「除雪車両」の奥深い世界

信越エリアに1~2駅ごとに計29台配備

雪を吸い込んで線路外に吹き飛ばす除雪車「MCR」(記者撮影)

今年1月、豪雪のため新潟県三条市にて身動きが取れなくなったJR信越線の電車。運転再開まで約15時間半もかかった事実がクローズアップされたが、実は電車の救出に鉄道専用の除雪車が一役買っていた。道路と異なり、普段あまり目にすることのない鉄道の除雪はどのように行われるのか。

2月下旬、上越新幹線の越後湯沢駅から在来線で一駅のJR上越線「岩原(いわっぱら)スキー場前」駅へ。その名のとおり、駅の目と鼻の先にはゲレンデが広がる。石打丸山、湯沢中里など多数のスキー場がある豪雪地帯だけあって、線路にも容赦なく雪が積もる。

この地域の線路の除雪を担うのが、JR東日本(東日本旅客鉄道)のパートナー会社である東鉄工業だ。線路のメンテナンスや駅舎建設、ホームドアの設置など、JR東日本管内の鉄道工事が主な仕事だ。ここ湯沢町のほか、十日町市や長岡市、三条市あたりまでの線路の除雪を一手に担う。

除雪車は1~2駅ごとに配備

管轄エリアに配備されている除雪車は2種類ある。青色の「ENR」と、黄緑色の「MCR」で、どちらも「雪を線路脇に押しのける」「雪を吸い込んで線路外に吹き飛ばす」という役割を持つ。大柄で馬力のあるENRが雪を脇に寄せ、小回りの利くMCRでどかした雪を飛ばす流れが多い。管轄エリア全体でENRが10台、MCRが19台配備されているが、湯沢周辺を筆頭に豪雪地帯には1~2駅ごとに除雪車が配備されている。

除雪車には鉄道車両として扱われるタイプと、保守作業機械として扱われるタイプ(モーターカー)があり、近年は後者が主流。ENRやMCRも一見機関車のように見えるが、鉄道車両ではなくモーターカーだ。したがって、走行時にはほかの列車が進入しないよう線路閉鎖の手続きがとられる。

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