企画がイマイチな人が知らないネタの集め方 ヒット玩具「∞プチプチ」はこうして生まれた

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また、これは上級テクニックなのですが、知らないことの中にある「欲しいと思うものごと」の情報まで集めることができると、ネタ帳はさらにパワーアップします。

たとえばWeb記事の見出しを見ていても、店頭で商品を見ていても、やはり集めたいと思って目に飛び込んでくるのは、自分が好きなタイプの情報に偏っていってしまうものです。しかし、自分がやりたいことに直接関係がないジャンルの中にも、自分の欲求が刺激される情報を見つけることがありますし、新しい領域を深く知っていくことで、自分の知識や発想の幅を広げていくこともできます。

特に見てみてほしいのは、本当に自分にはわからない見出しのニュースです。これは、ネットでも新聞でも雑誌でも構いません。いったい何のことだろう、と思うことがあれば、それは飛び込んでみるチャンスだと思ってください。

そして、内容を読んでみる。その中に、「欲しいと思うものごと」があれば、それをネタとしてピックアップします。これをやることで、自分が欲しいと思うものごとの幅を新たに広げることができ、新しい企画が生まれる可能性も広がります。

「興味がないものの中にある欲」に大化けの可能性

僕の経験からお話しすると、ある時、「カップリングフレグランス」というワードが見出しに入った記事をWebで見つけたことがありました。何のことかわかりませんでしたが、言葉の感じから、香りに関する美容系の女性向け記事かなと想像しました。

僕は正直「美容」ジャンルにはあまり強い関心はありませんし、普通に考えたら中身を読まずに素通りする記事なのかもしれません。しかし、普段は関心が薄い領域こそ、まったく新しい発見ができるチャンスの場所と捉え、あえてその記事をクリックし読んでみました。

『一生仕事で困らない 企画のメモ技(テク)』(あさ出版)画像をクリックするとアマゾンにジャンプします

すると、「カップリングフレグランス」とは、男女で違うタイプの香水を使い、お互いの香りを楽しむとともに、その2つの香りのハーモニーも楽しむことであると知りました。僕はそのこと自体をやってみたいという欲求は持ちませんでしたが、そこから、「もし自分の彼女が、自分のために香水を一生懸命選んで会いに来てくれたら、その気持ちがうれしいな」という、今まで考えたことがなかった欲求を発見しました。

男性が思う、「女性にこうしてほしい」という欲。このような欲がヒントとなり、男性ウケする女性向け商品を開発できる可能性につながっていくわけです。

仕事をしていると、時には、自分の興味とまったく関係のないジャンルを担当しなければならなくなることがあるでしょう。それは難しいことのように思えますが、チャンスでもあるのです。興味がない人にも「欲求」を持たせられる要素を発見できれば、そのネタはどんな人にも喜ばれる企画に大化けする可能性があるのです。

高橋 晋平 株式会社ウサギ 代表取締役

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たかはし しんぺい / Shimpei Takahashi

1979年秋田県北秋田市生まれ。2004年にバンダイに入社し、大ヒット商品となった玩具「∞プチプチ」など、バラエティ玩具の企画開発・マーケティングに約10年間携わる。2014年より現職。著書に『∞アイデアのつくり方』(イースト・プレス)、『プレゼンをキメる30秒のつくり方』(日経BP社)などがある。

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