「らくらく連絡網」は他のSNSと何が違うのか イオレの吉田直人社長にロングインタビュー
吉田:それから、「らくらく連絡網」への決済機能の付加が目先の重要なテーマですね。部費や飲み会の代金など、グループ内でおカネのやりとりが発生するケースが少なくないので、「らくらく連絡網」でそれまで完結すれば非常に便利だからです。
小林:なるほど。確かに、学校でPTA費とかの集金があると、お釣りが出ないようにきちんと小銭まで用意しなければならなかったりして、何かと面倒ですよね。
吉田:P2P(個人間)送金のスキームを使うのか、あるいはブロックチェーン技術にするのか、現時点ではまだ方向性は定まっていませんが、とにかく簡単に決済できるサービスを導入したいと思っています。ちゃんと用途開拓をしなければ本当には使ってもらえませんから、新たなアプリをダウンロードするのではなく、「らくらく連絡網」アプリ内にある「割り勘ボタン」をポチッとするだけで送金できるようにしたいですね。
グローバルな市場においては地域によって文化などの観点から「らくらく連絡網」が必ずしも受け入れられるとは限らないと思っていますが、グループ内決済ならば海外の人々にも使ってもらえるのではないでしょうか。
小林:グループ内決済については、海外にもかなりのニーズが潜在しているはずですね。今後の成長性については、どのようなイメージを描いていますか?
シルバー層のマーケティングが容易に進むかは未知数
吉田:もちろん、「らくらく連絡網」の会員数が今後も順調に拡大していけばそれに越したことはないのですが、PTAやシルバー層のマーケティングが容易に進むかは未知数です。会員数の伸びの鈍化は傾向として続くでしょう。ですから、その間にデータベースを強化するのが最善策で、凸版印刷をはじめとする外部連携に乗り出したのもその一環です。
ピンポイントでセグメントしていくためには、デモグラフィックデータに行動履歴、さらに位置情報も、といった具合に、データベースをさらにリッチにしていかなければなりません。そのうえで、DMPを駆使した広告代理店のような展開を図って成長を遂げていきたいと思っています。
小林:吉田社長とイオレ社がこれまでいかに大きな変化を乗り越えてきたかがよくわかりました。本日はありがとうございました!
(ライター:大西洋平)
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