ひきこもり東大既卒生が社会復帰できた契機 日本に50万人以上いる、ニートの現実と希望

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秋田さんがひきこもりから抜け出し、就職まで果たすことができた要因は何だったのか。私なりに分析してみた。

1.ひきこもりという状況を変えるため、自分で(中途退学という)変化を作り出した
2.自分が好き、または得意なことを起点に、自信を取り戻すきっかけ(オセロゲームの作成)を作った
3.自分をサポートしてくれる味方(担当キャリアカウンセラーや就活仲間)ができた
4.自分の弱点を直視し、それを克服するために、(意識するだけでなく)具体的な行動を取った

​苦しい状況ながら、自分で状況を変えるための行動を取ったこと、そして、自分の弱点と向き合うことで克服し、自信に変えていった。つまり、「自分が変わることで状況を打開していく」ということを、きちんと実践していたのだ。

秋田さんは現在、ソフトウエア開発を行うシステムエンジニアとして活躍。国税庁の業務システムや介護業界向けのソフトウェア開発といった仕事を担当している。働き始めてから2年ほど経って、会社からの評価も高いようだ。

漫才大会で優勝するほどの別人に

「大規模な開発プログラムについても理解できてきた。プロジェクトリーダーを務めたり、予算などビジネス的な視点も持てるようになりたい」と、秋田さんはエンジニアとしてのステップアップを目指す。

コミュニケーションに対しても苦手意識が完全になくなり、逆に自信に変えた。実際、プライベートでは、友人が主催する漫才大会に出場するほどまでに至っている。

「前回大会では自虐ネタをやったのですが、思いのほかウケがよくて、優勝しちゃいました」。そう言って秋田さんははにかんだ。ひきこもっていたころとは、まったく別人のようになっていた。

就職という人生の転機に弱点と向き合い、自分を変えることができた秋田さんはこれからについて、「最近、職場の人たちに慣れてしまって、自分から話しかけることをサボりがちになってしまっています。なので職場以外の人と会う機会を積極的に作っていこうと思います」と、いきいきと語ってくれた。

その顔つきは、自分のことをよく理解し、もっと自分をよくするために次を見据えることのできる人の表情だった。

川畑 翔太郎 UZUZ COLLEGE(ウズウズカレッジ) 代表取締役

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かわばた しょうたろう / Shotaro Kawabata

1986年生まれ、鹿児島出身。高校卒業後、九州大学にて機械航空工学を専攻。大学卒業後、住宅設備メーカーINAX(現・LIXIL)に入社。1年目からキッチン・洗面化粧台の商品開発に携わるも、3年目に製造へ異動し、毎日ロボットと作業スピードを競い合う日々を送る。高校の同級生の誘いと自身のキャリアチェンジのため、「UZUZ」立ち上げに参画。第二新卒・既卒・フリーターといった20代若者への就業支援実績は累計2,000名を超える。2024年よりIT/DX分野の教育研修事業「ウズウズカレッジ」を分社化し代表取締役に就任。就活メディアはこちら、X(旧Twitter)はこちら、YouTubeはこちら

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