どうすれば「運」を引き寄せられるのか? 特別対談 松本大×三田紀房(その3)
松本:でも、株式は債券とは違って、一般的に「材料」といいますが、個別企業の要因で大きく動きます。一般的には、景気が良くなると企業業績が好転するので、株価は上がると言われていますが、それ以外にも、株価を左右する要因がたくさんあります。個別企業の業績もそうですし、新商品・サービスの開発、あるいは企業の不祥事などによって、相場全体とは異なる動きをする銘柄も出てきますから、正確な情報を仕入れて分析し、投資判断をすること、あるいはほかの人に比べて先見的なアイデアを持って相場に臨むことが、ポイントになります。
ところで、「インベスターZ」では主人公の財前君が、これからいろいろな経験を積んで、一流の投資家になっていくのだと思うのですが、三田さんが考える一流の投資家って、どんなイメージですか?
三田:う~ん、まだはっきりとは固まっていないのですが、まだ中学校1年生ですから、目がきらきらと輝いているわけです。投資は「お金儲け」の世界ですが、その中で、企業を見る真直ぐな眼をはじめとして純粋さをどこまで持ち続けられるか、ということがポイントになるでしょう。彼の夢、理想を織り込みながら、徐々に一流の投資家に近づいていくという感じでしょうか。
そこは松本さんにも取材をさせていただきながら考えていこうと思いますが、大勢の投資家を見て来られた松本さんにとっての一流の投資家像は、どういうものでしょうか。
松本:やはり自分の限界を知っていること、ではないでしょうか。自分のキャパシティを超えたリスクを取るべきではありませんし、運用会社などで人のおカネを運用する場合などは特に、この点をしっかり把握しておくべきでしょう。
運用会社は、預かったおカネが大きくなるほど、より多くのフィーを獲得できますが、運用者というのはそれぞれ、きちっと運用・管理ができるサイズというものがあります。これを超えた規模で運用すると、運用成績も出せませんし、結果的に自分のためにも、運用を託した人のためにもなりません。
だから、自分の限界を知ること。それを超えた投資には手を出さないこと。それが一流の投資家ではないでしょうか。
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