渋谷「複雑・歩きにくい」は再開発で解決する? 高低差や横移動が困難、改良が必須課題
その後も、2023年の竣工を目指して「渋谷駅桜丘口地区」の整備が進み、2027年度に渋谷スクランブルスクエアの中央棟と西棟が開業し、渋谷の再開発は完了する予定になっている。
こうした再開発プロジェクトが進む中で、現在、渋谷の街が抱えている課題は、どのように解決されていくのか。
渋谷の街を歩いていて不便に感じるのは、谷地形であるため高低差が大きいことや、国道246号線や明治通りなどにより街が分断され、東西南北の移動がしづらいことが挙げられる。この問題について、まず、”縦動線”の改良については、2017年12月に、渋谷ストリーム計画地の横の16b出口にオープンして、”まるで宇宙船のようだ”と評判になっている「アーバン・コア」が、今後、複数設置されていく予定だという。
乗り換え動線が大幅に改善
アーバン・コアとは、地下から地上への動線を分かりやすくするためにエレベーターやエスカレーターを独立した吹き抜けの縦軸空間に納めた施設だ。すでに渋谷ヒカリエ内にも設置されているほか、2019年度に開業する渋谷スクランブルスクエア東棟内にも設置され、地下の東横線・副都心線改札から地上のJR線改札、さらに、2019年度に東口の明治通り上に移設が完了し、供用開始される予定の東京メトロ銀座線新ホームへの乗り換えコンコースへも通じるようになる。
これに加え、周知の通り、2020年春の完成を目標に埼京線ホームを山手線と並列位置に移設する工事が進められている。これらの一連の施策ですべての課題が解決するとはいかないものの、渋谷駅の乗り換え動線は大幅に改善されよう。
一方、”横動線”の改良に力を発揮するのは、新設される歩行者デッキだ。東急電鉄都市創造本部渋谷まちづくり担当の亀田麻衣氏によれば、7大プロジェクトのうち、渋谷キャスト、Rプロジェクト、南平台を除く、駅周辺の4つの再開発計画地が、最終的に歩行者デッキで結ばれるという。例えば、今秋オープンする渋谷ストリームと渋谷駅との間は、東横線の高架橋を、デッキとして再利用して接続する。
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