渋谷「複雑・歩きにくい」は再開発で解決する? 高低差や横移動が困難、改良が必須課題
続いて、挨拶に立った三井氏は、「特徴のある建物や、新しいビルはこんなのができるんだというのを一つ一つ感じながらジオラマを作った」と話した。午前中の低学年の部では高速道路の制作を行い、1時間半ほどで完成。完成した作品は、イベント後から、渋谷ヒカリエ11階に展示されている。
さて、ジオラマで表現するとシンプルに見える渋谷の街だが、実際には、渋谷駅周辺では、東急グループが中心となって進める、再開発7大プロジェクトが同時進行し、かなり複雑になっている。現在、どのようなプロジェクトが進行し、今後、渋谷の街がどう変化するのかを整理してみよう。
まず、7大プロジェクトのうち、すでに完了しているのは、宮下公園近くの都営アパート跡地に2017年4月に開業した複合ビル「渋谷キャスト」だ。同施設は、事務所やシェアオフィスを中心に、13階から16階の4フロアが賃貸住宅になっているのが大きな特徴で、居住しながら働けるライフスタイルを提案している。
2018年秋にオープンするのが、「渋谷ストリーム」と「渋谷代官山Rプロジェクト」だ。渋谷ストリームは東横線地下化後の旧地上ホームと線路跡地を利用しており、オフィス、ホテル、商業の全賃貸区画について、すでに入居テナントが内定している。とくに14~35階を占める全てのオフィス区画に、グーグル社の本社機能が2019年度に移転入居することが発表され、話題になっている。
渋谷駅直上の施設が2019年度に開業
渋谷ストリームの先の東横線跡地には、官民が連携して進められている渋谷川の再生事業とあわせ、約600mにわたる遊歩道とイベントスペースとして活用できる広場が整備される。さらにその先の渋谷清掃工場付近にオープンするのが、渋谷代官山Rプロジェクトだ。同施設は、店舗、事務所、ホテルのほか、保育所を入居させ、地域の課題解決を図るのが特徴だ。
そして、2019年度には、渋谷駅直上に現在建設中の「渋谷スクランブルスクエア東棟」がいよいよオープンする。同施設は、渋谷駅周辺地区では最大級となる貸床面積約7.3万平米のオフィスと店舗面積約3万平米の商業施設という巨大な床面積が特徴だ。さらに最上部には、地上約230mの屋外展望施設が設けられ、都内・富士山の眺望のほか、眼下にはスクランブル交差点が見られるようになる。
このほか、2019年春には、東急不動産が入居していた新南平台東急ビルなどを建て替える「南平台プロジェクト」が、大規模なオフィスビルとして竣工。さらに、同年秋には、旧東急プラザ渋谷を含むエリアに、1階に空港リムジンバスも乗り入れるターミナルを含む複合施設「道玄坂一丁目駅前地区」がオープンし、都市型観光の拠点となる予定だ。
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