参戦者続々、保育園JPHDの経営はどうなるか 創業者の株式売却、臨時株主総会招集の混沌
一方、東洋経済の取材に応じたマザーケアジャパンの坂井徹社長はJPホールディングス株取得の狙いを「重要な国策の1つ、保育事業で変革を起こしたいから」だと説明する。
坂井氏が現経営陣に会って伝えた提案は、創業者の山口氏と現経営陣との対立は「ステークホルダー全員にとって不幸せなこと」(坂井氏)。この解決に向けて動いて欲しいということだ。加えて、ビジネスモデルについても言及している。事業の柱となっている保育園運営は、補助金収入で成り立っており、1施設当たりの園児数が決まれば売り上げ上限が決まり、稼働率が低下したら単価を下げるといったようなことはできない。
それでは、待機児童が解消されるだろう2~3年後、保育園が利用者に選ばれる時代になったときにどうするか。当社ブランドに付加価値を付ける卒園後のサービスを新たに提供することで、「補助金収入ではない新事業をもうひとつの柱に育てるのはどうかと提案している」(坂井氏)。詳細は後日、現経営陣とともに発言したいと話す。
荻田社長はどう出るのか?
2015年に山口氏が「体調不良」を理由に社長を辞任後、同社の現経営陣はこれまで3度の株主総会による防衛戦をかろうじて勝利してきた。
直近では昨年11月、山口氏が招集した臨時株主総会で、山口氏側の提案は「定款変更と取締役の解任」。取締役の任期を2年から1年に即時変更し、取締役の解任方法の規定を定款から削除するという提案を行った。
一方の会社側は取締役の任期短縮は全取締役の即時退任になることから、これを回避するため、現経営陣は取締役の任期短縮を2018年度以降から行うという提案を提出。結果、会社提案も株主提案いずれも3分の2以上の賛成票が集まらず、3議案は承認されなかった。
この時の株主提案を否決するため、現経営陣が繰り出した戦略が第3者委員会の設置だった。山口氏が社長時代に「重大なセクシャル・ハラスメント」を行っていたとして調査を行う第三者委員会を昨年10月に設置。
だがこの調査は、痛み分けの結果となった。山口氏は当社の経営に関与するにはふさわしくないと公表するつもりが、荻田社長にも「セクハラに該当し得る行為が認められる」と指摘され、前任と現任トップ2人の醜聞が表ざたになったからだ。
JPホールディングスは2月1日に2017年4〜12月期(第3四半期)決算を発表、通例であれば今日2月2日の決算説明会で、荻田社長自らが決算の内容を説明する。
臨時株主総会への対応や新株主との対話、そして今年6月の定時株主総会で取締役の任期満了を迎える自身の進退を含め、荻田社長はこの場で何を語るのか。
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