日本でベトナム・ネパール人が急増した事情 存在感増す外国人だが偽装留学生問題なども
マンさんが働くお店に日本人バイトは17人中わずか3人しかいない。ほかは海外からの留学生が占め、その国籍はベトナムに加えて中国、ウズベキスタン、バングラデシュと多岐にわたる。
実は店の経営者も外国人。韓国出身で留学のため新聞社の奨学金制度で来日した鄭亨喆(ジョ・ヒョンチョル)さんは、日本の永住権を持つ妻とコンビニオーナーとして独立、2016年8月に店をオープンした。外国人が多数を占める店舗になったのは、鄭さんにとっても予想外だったそうだ。
「店頭での告知だけでなく求人サイトも使ってみたが、応募してきたのはほぼすべて外国人。日本人がほしかったのだが……。お店をオープンしたころ、お客さまに『店長はいないのか』と呼ばれたので私が店頭に出ていったら、『お前も外国人かよ』と言われたことがある」
さすがにこの店の外国人比率は異例の部類に属すると思われる。とはいえ、セブン-イレブンでは都内店舗で働くバイトの2割が外国人だ。
なお留学生バイトの数を国籍別で把握しているローソンの場合、中国人に次いでネパール人、ベトナム人の順で数が多い。8000人を超える外国人バイトの8割超をこの3カ国で占める。
ベトナム人は技能実習生、ネパール人は家族滞在も
在日外国人の数は、法務省の在留外国人統計によると247万人(2017年6月時点)。名古屋市の人口を超え、京都府に迫る数だ。リーマンショックと東日本大震災のときに一時減少したが、再び増加に転じた2013年以降、2割増えた。
2013年以降の増加人数は43.7万人。その内訳を国籍別にみると、①ベトナム(18万人増)、②中国(5.8万人増)、③ネパール(5万人増)が上位3カ国となる。
この3カ国について在留資格でみていくと、ベトナム人は技能実習と留学での増加が目立つ。人材育成を通じて開発途上地域への技能や知識の移転を図るという外国人技能実習制度は、かつて中国人実習生の数が多かった。だが、中国国内の賃金上昇や人民元高で人数が減り、その代わりとしてベトナム人実習生が急増。今や国籍別ではトップの約10.5万人(2017年6月末)となっている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら