「無人化」を目指すトラック隊列走行の現実味 人材難の物流業界は期待と安全面の懸念交錯
1月25日まで新東名高速道路で行われた実証実験では、異なるトラックメーカーによる隊列走行のテストが世界で初めて行われた。欧米などでもトラック隊列走行の実証実験は盛んに行われているが、主に同じメーカーのトラック同士によるものだ。
今回の実験で使用されたのは、日野自動車、いすゞ自動車、三菱ふそうトラック・バス、UDトラックスの国内トラックメーカー4社が共同開発したCACC(協調型車間距離維持支援システム)というシステムだ。
車間距離を一定に保つシステムでは、トラックに搭載されたカメラとミリ波レーダーで先行車との距離を検知するACC(定速走行・車間距離制御装置)が一般的だ。CACCは、これに加えて通信で先行車の加減速などの制御情報を受信し、加減速を自動で行う。先頭車でアクセルやブレーキが踏まれた情報が後続車に即座に伝わり、車間距離の確保がよりスムーズになる。
実証実験ではこのCACCの作動状況のほか、周囲の一般車両からトラックの隊列走行がどのように見えるか、また乗用車が隊列に割り込んできた場合にどのように対処するか、適切な車間距離はどのぐらいか、などを検証する。1月30日から2月1日にかけては北関東自動車道でも実験を行い、高低差がある道路でも車間距離を維持しながら走行できるかなどを検証する。
早ければ2022年に後続車が無人の隊列走行を目指す
今回は先頭車と後続車のいずれにも運転手が乗るが、2020年には高速道路(新東名)で、いよいよ後続車が無人の隊列走行を実現し、早ければ2022年に東京―大阪間の後続車無人隊列走行の実用化を図る青写真を描く。
2008年のNEDOの取り組みから隊列走行のプロジェクトにかかわる東京大学生産技術研究所・次世代モビリティ研究センターの須田義大教授は、「トラック隊列走行は、燃費の改善や省力化に加え、自動運転による安全性の向上も期待できる」とメリットを強調する。
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