バニラエア、出直し格安航空のジレンマ ANAのLCC子会社、合弁解消から本格始動へ
LCCとはロー・コスト・キャリアの頭文字を取るように、コストを極限まで削ることで低価格の運賃体系を実現している。航空券のネット直販は、ローコストを実現するうえでのポイントの一つだ。新たに電話対応を始めるとなると、コストはその分、余計にかかるため、損益分岐点が上がったり、徹底した低料金を打ち出せなくなったりする可能性はある。
成田空港発着がネック
「低運賃は当たり前で期待以上のサービス」(石井社長)を打ち出さなければならないのは、バニラエアの競争環境が厳しいからだ。
もともと成田空港は東京都心から遠く、原則として夜23時以降に発着できない(一部は条件付きで24時まで緩和)という点から、羽田発着の航空路線よりも不利。同じく成田を拠点として、同様の路線を展開するLCCである日本航空系のジェットスター・ジャパンと競争を強いられる点も悩ましい。
同じANA系でも関西国際空港を基点とするピーチ・アビエーションが健闘しているのは、羽田発着便やジェットスターなどと勝負するエアアジア・ジャパンと比べ競争環境が有利だという側面はあるだろう。
脱エアアジアを掲げる新生バニラエアだが、サービス内容を向上させることで差別化を図ろうとする新しい戦略は、LCCとしてのジレンマも抱えている。
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