成田−韓国線980円で話題!エアアジアの急所 格安航空会社の課題
「8月の国内線就航時には『電車やバスに乗る感覚で飛行機に乗ってもらいたい』と言ってきた。今回は『国内線に乗る感覚で国際線に乗ってほしい』と言いたい」。
全日本空輸系の格安航空会社(LCC)、エアアジア・ジャパンの岩片和行社長は宣言した。エアアジアは10日、国際線に参入し、28日から成田-韓国・仁川(ソウル)線を運航すると発表した。価格は片道6980~2万9980円で、大手の運賃に比べ、半額から3分の1程度の水準となる。10日深夜からは、インターネット上で就航記念の特別運賃となる片道980円の航空券4000席も売り出したが、即日完売となった。
11月下旬には成田-釜山線も就航。さらに来年中には中国線も運航を開始する予定だ。
韓国、中国行きの国際線運航には、昨今の領土問題がマイナスに響くリスクも懸念される。この問題について、岩片社長は「国際線では国と国との政治的な問題の影響を受ける。日韓についても、今は困難な時期と言えるかもしれない。ただ、LCCは民間の人、学生などの旅行需要が多いので、(日本航空、全日本空輸などの)ネットワーク・キャリアよりも受ける影響は少ないのではないか」と見通しを語った。
もう一つ、今後の事業拡大の上で課題となるのが、拠点としている成田空港の使い勝手の悪さだ。岩片社長は10日の会見の席上でも、「成田で大幅に便を増やしていく上では、空港のコストが足かせになる。空港側のさらなる努力がないとムリだ」と苦言を呈した。