アサヒが「ストロングビール」で勝負する理由 ビール市場縮小に歯止めをかけられるか
チューハイ市場はここ数年拡大を続けており、高アルコール製品はその中心となってきた。キリンビールの山形光晴マーケティング本部長は「消費者がコストパフォーマンスを気にする意識は強い。安く手軽に酔えるのが一番の魅力」とその背景を語る。
チューハイの4割超がストロング系
富士経済によれば、2016年のチューハイの市場規模は2810億円と前年比14%伸びた。2017年も約2ケタ増が見込まれており、ここ5年で市場は1.5倍に拡大した。その中でも、度数7%以上のストロング系が市場の4割以上を占めている。
ただ、ビールメーカー各社にとっては、チューハイ市場が伸びることはビール類市場から消費者が流出することの裏返しだ。
そこで各社は、高アルコール製品をビール類にまで広げている。
サントリーは2017年7月にアルコール度数7%の新ジャンル「頂(いただき)」を発売、今年2月からは度数を8%に高めてリニューアルする。「消費者のニーズは多様化している。ビール類市場でも、チューハイ市場で人気のある高アルコール製品で新市場を開拓していきたい」(サントリービールの山田賢治社長)。キリンも今月末から度数7%の新ジャンル「のどごし STRONG(ストロング)」を発売する。
これらはいずれも新ジャンルといわれるカテゴリー。価格も350ミリリットル缶で140円程度と「安く手軽に酔いたい」という消費者のニーズに応える。
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