38歳独身堅実女性が「赤字地獄」に陥るワケ 優等生ほど人に言えない悩みを抱えている

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E子さんの場合、両親の住宅ローン代の一部に加えて、母親の要求に応じると、なんと少なくとも毎月10万円、多い月だと15万円程度の仕送りをすることになってしまうそうです。一方で、E子さんの毎月のお給料は手取りで30万円程度ですから、いくらE子さんが堅実に暮らしていても貯金できるはずはありません。

ここまでお読みいただいて、おそらく、ほとんどの読者の方が「病気などではないのだから、母親の要求なんて無視すればいいのに。バッカじゃないの!」と思ったのではないでしょうか。

ほとんど「マザハラ」? 優等生ゆえに「母の支配下」に

でも、それができないから相談に来ているわけです。E子さんには、2歳年上のお姉さんがいるのですが、実はこのお姉さんが自由奔放な性格で、現在も漫画家を志望していて、見習いの身。昔から、自分の好きなことに没頭し、マイペースに暮らしていたそうです。

現在は東京に住み、たまに連絡はしてくるものの、ほとんどE子さんとも両親とも交流がないとのこと。収入も少ないので当然、両親への仕送りはゼロです。

一方、E子さんは、学校の勉強もでき、学級委員も務めた優等生。それだけに小さいときから母親からの期待はものすごく、母親が引いたレールの上をただひたすら走ってきた人生だったそう。姉には関心が薄かった分、母のE子さんへの干渉や執着はものすごかったそうです。

E子さんは、母の期待に応えるべく、有名大学を卒業し、有名メーカーに就職。就職してしばらくは、地元にある支社に勤務し、自宅暮らしだったそうですが、E子さんが休みのたびに、一緒に買い物に出掛け、E子さんに洋服やバッグなどをねだる母。話題のレストランに出掛けたり、お芝居を見たり、母のぜいたくを満たすための出費がかさんでいて、自宅暮らしの恩恵はまったく受けられなかったそうです。

でも、昔から母の命令は絶対で、E子さんには、母の要求のままにおカネを出すことしか選択肢がなかったとのことでした。よくパワハラやモラハラも優等生のほうが受けやすいといわれますが、E子さんも優等生ゆえに完全に母の支配下に置かれていたのです。

次ページ母から離れてもなお、苦悩の日々は続いた
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