「つみたてNISA」が盛り上がらない根本理由 金融機関の大半がほとんど「売る気なし」

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確かに、つみたてNISAの対象となる投資信託は、「ノーロード」といって購入時手数料を取らないものしか認められていません。また、信託報酬率も、個別の銘柄を重視する「アクティブ型」であっても、かなりの低率でなければなりません。

販売する金融機関にとってみれば、投資信託の購入時手数料も、信託報酬に含まれる代行手数料も、非常においしい収益源です。しかし、その両者が稼げないようなサービスには、なかなか力が入らないと思います。担当者たちの発言にもあったように、表向きは金融庁に対して「つみたてNISAを普及させるために頑張ります!」と言っても、ホンネは「こんな儲からないサービスなんて、やっていられない」という意識が強いのです。これでは普及などするはずがありません。

既存の金融機関は間違った投資信託の売り方をしてきた

金融庁は、顧客本位の立場になって、つみたてNISAをきちんと広げていけば、金融業界にとって大きなビジネスチャンスになると考えています。もちろん、私もそう思います。なぜなら、金融庁が唱えている「長期・分散・積立投資」こそ、セゾン投信の根源的な価値をなしているものだからです。しかも、つみたてNISAのスタートによって、長期・分散・積立投資に「税制優遇」というメリットも付加されました。結果、顧客にはこれまで以上にすばらしいサービスを提供できます。これをビジネスチャンスと言わずして、何と言えばよいのでしょうか。

でも、大半の既存金融機関の考え方は違うのです。なぜ、これだけ大きなビジネスチャンスを前にして、多くの金融機関はつみたてNISAを一所懸命に広めようとしないのか。その理由は簡単です。多くの金融機関はこれまで、長期・分散・積立投資を「全く」と言っていいほど、手掛けてこなかったからです。それとは真逆の「短期・集中・一括投資」を勧めてきたのが現実です。短期間でほかの投資信託に乗り換えさせることを前提にして、まとまった資金で、特定の投資信託を買わせて、多額の購入時手数料をいわば「かすめ取る」というのが、多くの販売金融機関がこれまで行ってきた投資信託のビジネスモデルです。

この手の販売方法で最も売られてきたのが、毎月分配型をはじめとする、定期分配型の投資信託です。「高い分配金が得られる」という謳い文句で、年金生活のお年寄りを中心に営業展開をし、一時は投資信託全体の純資産総額のうち7割程度を占めるまでになりました。しかし、低金利が続いたことで徐々に高額分配の支払いが困難になり、大半の毎月分配型投資信託は、分配金の引き下げを余儀なくされました。それにつれて投資信託全体の純資産総額に占める比率も、現在は5割程度にまで低下しています。

次ページでは、毎月分配型の解約分のおカネはどこへ?
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