1分動画エブリーが20億円調達で目指すもの 3度目の資金調達、2018年末に500人体制へ
――エコシステムというのはどのような構想ですか。
ユーザーだけでなく、広告主、小売り事業者、ほかのメディアなども僕らの動画メディアに載ってもらうことで、新しい価値を生み出していこうというものだ。まずは2018年にデリッシュキッチンのアプリをリニューアルする。その際、すでにある機能のブラッシュアップに加え、スーパーなどの店頭で使えるクーポン配信をやっていこうと考えている。
デリッシュキッチンの一義的な価値はたくさんのレシピを見られることだが、特売情報やクーポンを付けることで、お店探しや購入の意思決定も後押しできる。広告主であるメーカーからすると、これまでは動画広告を見た人が実際どれだけ購入に動いたかという部分がどうしても見えにくかったが、クーポン機能を活用することで、店頭で購入したかどうかまで紐付けて追えるようになる。
――今月からは出版社や著名な料理家さんとコラボしたプレミアムレシピの提供が始まりました。
料理ムックなどに載せられているコンテンツを、われわれのほうでレシピ動画にしてアプリ内で配信する取り組みだ。今は無料の「おためし掲載」だが、来年の早い段階で課金コンテンツとして展開する。
クックパッドのように、検索などの機能に制限をかけて、有料会員の場合にはその制限を外すという手もある。ただ僕らとしては、まず多くの方に無料で使いやすいという価値を提供し、その機能は制限したくない。
そのうえで一部のユーザーからのニーズが高い、たとえば出版社や料理家さんと組んで、カロリー制限メニュー、離乳食などおカネを払ってでも見たい質の高いレシピを課金対象としていきたい。出版社や料理家さんにはレベニューシェアで収益を還元していくビジネスモデルだ。
カロスとママデイズもアプリ化、全社500人体制に
――デリッシュキッチン以外のメディアの方向性は?
2018年はカロスとママデイズもアプリ化を予定している。ただ、デリッシュキッチンがスタッフ130人体制なのに対し、カロスとママデイズは20人くらいしかいない。月間で配信している動画数も、デリッシュキッチンは約1300だが、カロスとママデイズは数十から100本にとどまっている。調達した資金を活用し、まずは人をどんどん採用したい。今、全社でインターンも含め約200人のスタッフがいるが、2018年の年末には500人くらいに増やしたい。
ーーそれだけ人数が増えるのであれば、場所探しも必要ですね。
今の本社(セントラム六本木ビル4階)はすでに手狭になっており、ここ1カ所では入りきれないため、近くの乃木坂にもオフィスを借りている。ただ、全員が1カ所に集まれるようにしたいので、品川や日本橋などの物件を探しているところだ。
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