「孤独のグルメ」を食べログで分析してみた

井之頭五郎が訪れた全133店の点数を調査

また、放送後すぐのデータを見ると、軒並み点数が上がる傾向があった。聖地巡礼効果で放送後に平均点が上昇した店が多いものとみられ、撮影時に食べログが推奨する3.50点以上ではなかったお店の割合は6割を下回るだろう。ただ、五郎は何のリサーチもなしに店を選んでいるという設定のため、半分も3.50点以上であれば、上出来ではないだろうか。彼の食に関する匂いをかぎ分けるセンサーは、優秀であるといってよい。

それぞれの「グルメ」の定義

もっとも、「グルメ」の定義も、五郎と食べログでは異なるのだ。

番組最初のナレーションで「時間や社会にとらわれず、幸福に空腹を満たすとき、つかの間、彼は自分勝手になり、自由になる。誰にも邪魔されず、気をつかわずものを食べるという孤高の行為。この行為こそが、現代人に平等に与えられた、最高の癒やしと言えるのである」と五郎は断っている。一方、食べログは万人の万人による万人のためのグルメだ。

言わずもがな、五郎にとって大切なのは食事と向き合う自分であり、そこに他人は関係ないのだ。今回、主演の松重豊も大晦日スペシャルについてこんなコメントを寄せている。「もし大晦日のその時間に、この番組を見てお腹が空いても、開いている店はほぼありませんからね。悪しからず」。

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