「八王子スーパー強盗殺人」3人銃殺の深い謎 22年前の未解決事件、残虐な犯行が明らかに
ただ、現場となった事務所の中で犯人は物理的に大きな動きを見せなかった。事務所内のものはほぼ手つかずといっていい状況で、ごく短時間のうちに犯行に及び、犯行後すぐさま逃走したとみられることが改めて明らかになった。
何らかの理由で金庫内の現金はあきらめたにせよ、これだけの犯行に及んでおきながら何も盗らずに逃走するというのはつじつまが合わない。強盗犯による偶発的な犯行だったかもしれないが、はたしてそれだけなのだろうか。
一方で被害者の1人、アルバイト従業員の女性を殺害したときの詳細な状況も判明した。捜査資料をさらに専門家に分析してもらったところ、彼女だけは極めて至近距離から撃たれたことが指摘されたのだ。
犯人が拳銃の扱いに非常に慣れている人物だったこともわかってきた。犯行当時の事務所内の状況を正確に再現してみると、想像よりも非常に狭い空間の中で犯行が行われており、犯人が拳銃の弾の跳弾などを計算した可能性があるという。
被害女性とかかわりも? 謎の男の存在
フジテレビ取材班は犠牲となった47歳のアルバイト店員に恨みを抱いていた人物がいたかもしれないといううわさを聞きつけた。被害女性の当時の生活を知る人物に複数取材すると、見えてきたのが彼女を取り巻く複雑な人間関係。その中に、彼女に何らかの殺意を抱く人物がいたのだろうか――。
さらに、数年前、被害者を縛ったガムテープから検出された指紋と酷似した指紋を持つ日本人男性が浮上した。この男性がカギを握っているかもしれない。
事件から22年。強盗目的か怨恨による報復か。一つひとつ潰していく捜査が延べ19万人の捜査員によって続けられている。一方で今回の取材中多くの証言者・関係者が亡くなっていたのも事実で、時間の経過は事件解決をより困難にしているが、真相にたどり着く捜査の糸はまだあるはずだ。
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