「Xmasマーケット業界」が本場で成長中のワケ ドイツは10年で来場者7割増、5000億円市場に

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たとえば筆者が住むエアランゲン市を見てみよう。同市はニュルンベルクに隣接する人口約10万人の街で、観光地ではない。そのため、かえって地域の生活になじんだクリスマスマーケットの様子が浮き彫りになる。同市の市街中心地には歩行者ゾーンになっているメインストリートがあるが、ここに隣接するかたちで徒歩10分圏内に3つの市場が作られている。それぞれコンセプトは異なるが、どれもローカルらしいこぢんまりした魅力がある。

ノスタルジックな雰囲気が魅力のエアランゲン市のクリスマスマーケット(写真:筆者撮影)

まずは「歴史マーケット」。ここは中世がコンセプトだ。屋台のデザインも木材を使った中世風。屋台に立つ人たちも中世風の衣装で販売している。立ち飲みができる簡易テーブルも中世を思わせるデザインで、たき火が用意されている場所もある。マジックショーなどのストリートパフォーマンスなども行われている。ドイツでいう「中世」は、日本でいうと「江戸時代風」にようにノスタルジーを感じさせるコンセプトだ。

ドイツらしく、「持続可能性」がテーマのマーケットも

2つ目は、旧市街のマーケットだ。同市の発祥の地でもあり、2016年から市場が行われるようになった。地元の飲食店などの事業者らの発意で、議会の一部も支持し実現した。こちらも飲食や物販の屋台もあるが、ボランティア、地域主義、持続可能性といったことがテーマ。そのため姉妹都市や地元のスポーツクラブなどのスタンドもたつ。

エアランゲン市の「旧市街市場」。コンサートや演劇も行われる(写真:筆者撮影)

今年は中央に仮設舞台が作られ、音楽ライブや簡単な演劇なども行われている。旧市街地は日本のシャッター商店街に比べるとまだまだ元気だが、それにしても、より努力をしなければ日の目を見ないエリアだ。そうした場所に人々が集うきっかけにもなっている。

また、「歴史的市場」もそうだが、教会の広場で開かれているのが興味深い。マーケットそのものの起源が教会前で始まったことを考えると、クリスマスマーケットがそこで開かれているのにも合点がいく。

3つ目が「森のクリスマスマーケット」だ。3つの中で最も広く、同市によって運営されている。木で作られた彫像が並び、下には木片チップが敷き詰められている。ここでも屋台は並ぶが、子どもがクリスマス用のパンを作れる小部屋が設えられるほか、ボランティア団体のブース、小児がんの子どもたちへの募金コーナーなどが軒を並べる。

簡易舞台では音楽関係のNPOや子どものグループの演奏・合唱などが行われる。ニュルンベルクの市場に比べると小さいが「木片チップが敷き詰められた暖かい雰囲気があって、こぢんまりした感じがいい」という人もいる。

日本でも観光客を呼べる、大規模な祭りのたぐいは確かに楽しい。一方、観光ずれしていない伝統的な祭りにも、それを継続させるだけの魅力があり、努力もある。そして人々の生活の一部になっていることが多いのではないか。ドイツのクリスマスマーケットにも同様のことが言えそうだ。それでも「商業主義が強すぎる」という非難があるが、クリスマス当日になると、人々は家族で集い、街は静かになる。この静寂もまた日本にはないクリスマスの良さである。

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