「Xmasマーケット業界」が本場で成長中のワケ ドイツは10年で来場者7割増、5000億円市場に

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レトロなデザインのカルーセルが却って暖かい雰囲気を作る(写真:筆者撮影)

クリスマスマーケットはドイツが発祥とされ、14世紀あたりから始まったようだ。冒頭に挙げたニュルンベルクも16世紀に始まった。ほかにもシュツットガルトやドレスデンもよく知られる。そして有名どころ以外の多くの街でも開かれており、その数はドイツ全土で2200程度あるといわれる。

近年、日本でもクリスマスマーケットがちらほら広まりつつあるようだが、この20年ほど本場ドイツでも人気がさらに高まっている。祭りなどで屋台や移動遊園地を運営する業界団体によれば、2000年に比べ2012年は訪問者数が70%も増加した。ドイツの催事業界にとって、クリスマスマーケットの貢献度は甚大だ。2014年の現地報道によると、期間中に30億~50億ユーロを売り上げ、年間収入の3分の1から半分ぐらいをクリスマスマーケットが占めているという。

筆者個人の目から見ても、スケートリンクを併設するなど、年々豪華になっている印象がある。ただ、昨年ベルリンのマーケットにトラックが突っ込むテロがあったことから、今年はマーケット周辺に大型のコンクリートブロックなどが並ぶ風景も見られた。

さらに、インバウンドの観点からも影響は大きい。2016年、ニュルンベルクのクリスマスマーケット期間中の宿泊数は約30万泊だったが、約3分の1が海外客だ。米国、イタリア、英国、オーストリア、スイス、オランダ、スペインといった国々からの来訪者が上位につく。訪日外国人の増加をもくろむ日本にとっては、気になるところだろう。

「経済効果」以外のクリスマスマーケットの意味

クリスマス市場は「つねに混んでいる」といったマイナスイメージもあるが、同時に「なくてはならないもの」でもある。この時期は「グリューワインを飲みに行こう」「クリスマス市場で会わないか?」と誰ともなしに友人たちと誘い合って出掛ける。

グリューワイン片手に話が弾む(写真:筆者撮影)

ほかにもデートのカップルもいれば、家族連れで散歩がてらやってくる。小さな子どもはカルーセルなどの遊具に乗ってご機嫌だ。それを一生懸命撮影する親がそばにいるのはご愛嬌。市場でクリスマスのプレゼントを買う人もいる。

また、休日のみならず平日もにぎわう。年末は一般に仕事も忙しい人も多く、そのへんの年間のリズム感は日本ともよく似ているが、職住が比較的近い点が異なる。そのせいか仕事のあとに立ち寄る「フラリーマン」スタイルより、いったん帰宅してから友人や家族と出掛けるケースのほうが多いようだ。市場はほっとできる束の間の時間という感じがあるのだろう。

ところで、生活の中に自然とクリスマスマーケットが入ってくるのは、ちょっとした街でも小さいなりに開催されているからだが、開催場所はたいていその街の中心地だ。ドイツの街は歴史的景観が維持されているのみならず、小売店、飲食店、銀行、庁舎、文化施設などたいていのものが中心部に集まっていて、「コンパクトシティ」がはやるずっと前から実践されてきた。そのため、普段から街に自然と人が集まり、クリスマスマーケットもその延長線上にある。

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