パナソニックのアジア攻略、カギはバブル女性 東南アジアで”パナソニックビューティ”が人気

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広告宣伝も工夫

テレビコマーシャルには、各国で人気の女性をアンバサダーに起用。大富豪と結婚したテレビキャスター、MBA留学中のタレント、子持ち、独身の女優など、この人のようになりたいというあこがれを誰もが抱けるようなバランスのとれたキャスティングを意識した。

さらに、これまで市場に存在しなかったために、その価値が伝わりにくいことを考慮し、同社からプロモーターが出向している店舗では、顧客がタッチアンドトライできる場作りを重視。個別に商品が置かれるだけでは新しいカテゴリーとしての魅力を訴求できないため、Panasonic Beautyという群として陳列できる店頭をベスト電器などの量販店と連携して作った。各国をキャラバンする特注ワゴンもある。

シンガポール有数のショッピングエリア、オーチャードにあるベスト電器の店頭

プロモーションの実施に際しては、各国の社員から直前の再提案がなされた場面もあったが、なんとか調整。当時について城田氏は、「東南アジア5カ国でまったく同じようなプロモーションを同時に展開するのは、弊社にとって初めてのこと。各国のマーケティング担当者は長年やってきたスタイルを主張するため、合意形成には苦労しました。しかし、ワークショップを通じて最初の大きな合意形成を、対象となるすべての国の社員全員で行ったことがよかった。確かに最終的な判断はヘッドクォーターであるシンガポールが行ったが、みんなでプロセスを共有し、コンセプトもみんなで作りましたよねという大前提があったおかげ」と振り返る。

Panasonic Consumer Marketing Asia Pacific本社にて

その結果、同群に含まれる商品の売り上げは前年の約2倍にまで増加。さらに、フィリップス、日立、シャープ、ビダルサスーンなど、同地域に進出している他メーカーも類似カテゴリーの商品を後れて投入する事態に。

今後は、同社が強みとする「ナノイー」技術で、肌や髪にやさしいという魅力の訴求に注力し、さらなる需要創造と新市場におけるシェア拡大を狙う。

岡 徳之 ライター Noriyuki Oka Tokyo 代表取締役

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おか のりゆき

1986 年長崎県出身。慶應義塾大学経済学部卒業後、PR 会社ビルコムで2 年4 ヶ月勤務。2011 年8 月に企業PR・ウェブ企画開発・編集ライティングを専門分野として開業。現在はシンガポールを拠点に事業運営に携わる。国内大手企業のウェブプロモーション業務に従事する傍ら、CNET Japan やITmedia など国内の有力ニュースサイトを中心に10 数媒体で執筆を担当。ライターとしての専門領域はIT・ビジネス・マーケティング・クリエイティブ・ライフ・グルメ・人物インタビューなど多岐に渡る。事業会社が運営する自社メディアでの編集ライティング案件にも携わる。異なる専門領域を持つフリーライターと連係し、編集プロダクション的機能も果たす。

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