小泉進次郎の「メディアが伝えない」意外な姿

「荷物が多く、メモ魔」泥臭い一面も

その後、小泉議員が復興政務官になり、直接お会いすることになりました。震災から3年が経ち、被災地ではインフラや住宅の復興は進んでいたのですが、ご家族を亡くされた被災者の心のケアが難しい課題として持ち上がっていました。そのあたりの事情を小泉議員はよく把握していて、復興庁が事業化する前から、いかに対応するかの議論をかわしていました。

さらに、被災自治体職員が県を越えて連携し、民間企業の支援を引き出す取り組みをご一緒しています。被災自治体がそれぞれ復興を進めて効率が高まっていないことと、特に産業復興において民間企業の知恵を引き出すことが課題になりつつありましたが、そのことを官僚以上によく理解されていました。

これらの活動を通じて感じたのが、小泉議員の「センスのよさ」です。誰かが言っていることの受け売りではなく、必ず現場を見て、自分なりに考えて必要なことを言葉にできる。しかも、周りに対してちゃんと働きかけ、問題解決できる力を持っている人なんだと感じましたね。

荷物が多い「メモ魔」

――実際にお会いして、驚かれたことはありますか?

まず驚いたのは、ブレーンがいないことですね。すべて自分で考えている。そのためか、颯爽(さっそう)としたイメージとは違って荷物がとても多いのです。会議には資料を大量に抱えてくる。さらに若手官僚顔負けの「メモ魔」でもある。案外、泥臭いところもあるのだなと感じました。

また、小泉議員は「言葉」を大切にします。小泉議員がスピーチの名手であることはよく知られていると思いますが、全部ご本人が考えているのです。私も会う前には、スピーチライター的な役割をする人がいると勝手に思い込んでいましたが、誰もいないのです。

演説だけでなく、シナリオのない場面でお話をされている様子を見ても、自分で考えてお話をされているのがわかります。

小泉議員はつねに「どういう言葉を使うと伝わるのか」「世の中に広がるのか」を意識して、言葉選びをしています。実際、小委員会の提言をまとめるのにあたって、言葉の選択のイニシアティブをとっていたのは小泉議員でしたし、流行語大賞にもノミネートされた「人生100年時代」も小泉議員の発案からです。

ヒットした『ライフシフト』という本に書かれていた「100年時代の人生戦略」という言葉が起源だと誤解されていますが、小泉議員は同じタイミングでこの言葉を選択していました。

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