発表!全国21都市「市民の地元愛」ランキング 福岡市は「知人にお勧め」でぶっちぎりの1位
最後は、他人にお勧めできるかどうかのランキングを見ていこう。
愛着はないけど「お勧め」できる東京都区部
「お勧め度合い」に関するランキングについて、先に述べた「愛着」のランキングは低いものの、「誇り」、「お勧め度合い」のランキングで順位を上げている「東京都区部」「川崎市」「さいたま市」に注目する。区民、市民が愛着は持っていないけれど、友人や知人にお勧めできるという都市である。
東京都区部(愛着12位⇒誇り9位⇒お勧め度8位)、川崎市(愛着16位⇒誇り14位⇒お勧め度11位)、さいたま市(愛着20位⇒誇り18位⇒お勧め度14位)に共通している事項としては、都市のイメージとして共感できるキーワードでのランキングで、「便利」の順位が大変高くなっている。
また、「アフターファイブを楽しむ」「いろいろな人と交友を深める」「デートをする」の観点では、市民としてお勧めできていないことが、同調査の他の項目から分析できる。
住んでいるまちでの交流や、住んでいるまちを楽しむことよりも、その利便性を生かして、他のまちへ移動して楽しんでいる印象が調査からみてとれる。まちへの帰属意識が低く、愛着が育まれにくいこととも考えられる。
東京都区部の区民については、まちを楽しんでいないと言われると違和感があるかもしれないが、同調査においては、あくまで暮らしているまちに関して聞いていることから、まちを区単位で認識している可能性も考えられる。たとえば、葛飾区に住み、渋谷区で働いたり遊んだりしている人については、暮らしているまちを葛飾区の範囲で考え、回答している可能性が高い。
お勧め度合いが高い一方で、愛着が低いことから、お勧めを受けて入ってくる人が多い半面、まちに根付いた生活をしていないため、簡単に流出してしまう可能性もある。このような都市においては、まちでの交流機会を増やす仕掛けをつくり、地元意識を高め、愛着を育むことが重要である。愛着が育まれることで、お勧め度合いのランキングがもっと上がる可能性がある。
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