北朝鮮が「テロ支援国家」に再指定された意味

トランプ大統領の意図はどこにあるのか

トランプ大統領が、「すべての選択肢がテーブルの上にある」と発言するときは、勢いがあるように見えるかもしれない。が、その姿勢は従来の米国のそれと変わっていない。

2012年、当時太平洋軍司令官であったサミュエル・ロックリア氏は、太平洋空軍の北朝鮮半島での軍事計画について尋ねられたときに、「米韓同盟はつねにあらゆる選択肢を考えている」と答えたが、トランプ大統領の発言はこれと変わらない。

つまり、責任ある外交政策とは、あらゆる偶発事象を調べ、事前にそれを見越しているということだ。トランプ大統領がその選択肢を強調するのは、米国政策のニュアンスや繁雑さよりも、彼の心理状態によるところが大きい。

北朝鮮の行為は極めてテロリスト的

米国の公式の政策は「圧力を最大化」することであり、これにはいくつか目的がある。1つは、オバマ前大統領の政策と差別化を図ることで、これはオバマ前大統領が北朝鮮に最大限の圧力をかけなかったことを暗に指摘している。トランプ大統領はこのような間違いは犯さない、というメッセージだ。 これは、どんな関係においても、勝者と敗者が存在して、圧力はつねに両者を分ける手段であるというトランプ大統領の考え方と合致している。

この政策は、昨年11月に当選して以来、トランプ大統領と最も近しい国際社会における友人であり、最大の支持者の1人である安倍晋三氏が首相を務める、日本の利害とも一致している。また、中国の北朝鮮に対する圧力を強めてほしいという要望にも応えている(軍事的選択肢の重視は、中国政府を刺激し、より大きな行動を促すことによって、戦争の可能性を未然に防ぐことを意図している)。

そして直近の例は、米国が北朝鮮をテロ支援国家に再指定すると決めたことであり、トランプ大統領はこれについて「長期にわたって延期されてきた。もっと前からこうすべきであった」と語っている。

北朝鮮の行動は極めてテロリスト的だ。何の罪もない一般人の近くで、化学薬品を使って殺人を犯した工作員がいる以上、このレッテルをはがすのは難しい。ただし、この行為自体は実質的に何か意味があるというよりも、象徴的な行動とみるべきだろう。ただ、これに対して科された制裁は一方的なものであり、そもそも、米国と北朝鮮の企業や個人間での貿易はとっくに行われなくなっている。

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