地味に流行「トンチン年金」はおトクなのか 長生きすればするほど、おカネがもらえる
さて、3つの別の選択肢とは:(1)投資信託の積み立て運用、(2)死亡保険の活用、(3)年金の繰り下げ受給(=受給時期開始を遅らせる)です。それぞれを、トンチン年金と比較もしつつ見てみましょう。
投資信託で成功なら10年後2300万円残る可能性も
まず(1)の投資信託の積み立て運用です。月10万円、50歳から10年間の積み立てが可能だとすれば、NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)を利用し、投資信託でおカネを準備するという選択肢もあります。あくまで過去の実績に基づいた試算ですが見てみましょう。
投資信託の評価で定評があるモーニングスター社の「つみたてNISA総合ガイド」を使うと、つみたてNISAの投資対象となっている投資信託のつみたてシミュレーションを見ることができます。
今回はモーニングスターの評価で5つ星を獲得している「セゾン資産形成達人ファンド」で試算してみます。過去の実際データをもとに月々10万円を10年間積み立てた場合の資産残高は2658万9000円と出ました。ここでは税金は考慮されていませんので、仮に投資元本1200万円との差分1458万9000円の利益に20.315%課税され、296万3755円が差し引かれたとしても、10年後には手元に約2300万円残る計算です。
さらに、NISAやiDeCoなどの非課税制度をうまく使えば、非課税メリットの恩恵をうける分、手元に残るおカネが増えますのでもっと大きな資産を作ることができます。なお、残念ながら、月々10万円を10年間非課税で積み立てをするには、一般NISA、つみたてNISA、そしてiDeCo、いずれの組み合わせでも、いささか規格不足となりますので、今回見てきた仮定の計算は、一般口座を利用して運用だと認識してください。
では、この2300万円を、先ほどのトンチン年金の「年間44万2000円」と比べてみましょう。もし、60歳から毎年この額を取り崩していくとすると、単純な割り算ですが2300万円あれば、52年間分もおカネがもつことになります。60歳から受け取りを始めても、十分100年時代を生き抜くことができますね。もし100歳までの40年間でこの資産をすべて取り崩すとすれば年間57万5000円と使えるおカネが増えるわけですから、老後のプラスアルファの資金としては、先ほどのトンチン年金より余裕が生まれます。
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