たとえば、これまで理系学部との直接的なつながりがなかった金融や商社などが、理系人材を求めているといった情報を提供しています。どんな技術や知識がどんな業界で求められているかを、教授陣と連携しながら、広く知ってもらうようにしています。
「化学系は早く、機械・電気系はそれより遅い」など、専門分野によって就活のピークや内定時期が異なる傾向もあります。それに対し、キャリアセンターが前年比を出しながら、各学科の就活の進捗状況をフォローする活動も、活発に行なわれています。
小規模校ではさらに進んだ就職支援をしているところもあります。
1学年300人ほどのC大学の場合、例年3年生の2月、就職合宿を行っています。民間企業に就職を希望する学生の参加率はほぼ100%。1泊2日で、自己分析から始まり自己PRを考えて、実践型の模擬面接を1人当たり2~3回行っています。
エントリーシートを添削してくれる
さらには6~7人もの講師や面接官を外部から招聘。私も一度面接官として参加したことがありますが、初日こそ、「君らしさは何?」という質問に「テキトーっス!」と答えていた学生が、2日目の最後には、所属した運動部のチーム運営で後輩とぶつかったとき、どんな風に考え、どんな行動をとることで問題を解決できたのか、そしてそこから何を学んだのかまで、真剣に語ってくれました。
1人ひとりとしっかり向き合い、そして深掘りしていく合宿を通じて、2月の時点で、すでに本番の面接に臨めるところまで準備することができていいるのです。
このようにきっちり就活の準備をさせていく大学もあります。だからこそ、キャリアセンターにまだ行ったことがない、ガイダンスに参加していないという方は、今すぐ行動を起こしてほしいのです。
多くのキャリアセンターは、月に1回のペースで就職ガイダンスを開催、就活解禁前に、態勢を整えるための情報提供を行っています。「年度の途中から参加してもついていけないのでは?」と思っている人は心配いりません。学生の将来の進路は変化するのが当然で、思い立ったときにいつでも始められるよう、内容を工夫している大学がほとんどです。これからの時期だと、3月以降に提出が始まるエントリーシート(ES)の作成講座などが、ちょうど開催される頃です。
履歴書やESの書き方は、「本にも出ているし、インターネットで検索すればできそう」と思いがちですが、実際、1人ではせっぱ詰まらないとなかなかやれないもの。追い込まれて突貫工事で作るものには粗が目立ちます。ガイダンスの場に来れば、周囲の刺激も得つつ、自分の手や思考をフル回転させ、オリジナリティのあるアウトプットを作ることができます。キャリアセンターの担当者が添削してくれるところも多くあります。
いずれ先輩に聞けばいい、そのうちネットでひな形を見ればいい、と思っていても、いざ3月になってしまうと時間が十分とれない現実に突き当たりがちです。自分の将来進路の探索を悔いのないようにするため、キャリアセンターを上手に活用する取り組みを始めていただきたいものです。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら