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スタバも撤退した豪州でアマゾンは勝てるか 地元書店はアマゾン本格進出に微妙な面持ち

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またオーストラリアでは並行輸入の規制があり、国内出版社は発行する書籍すべての販売で独占的地位が認められている。書店はオーストラリアの著作権者の本については、国外での刊行30日以内で国内の出版社が90日以内に刊行できる場合は外国から輸入することができない。

この規制については、保護主義的で本の価格高騰の原因になるとの批判がある。しかし、この規制によってアマゾンが外国から輸入したより低価格の本を扱うことを防ぐだろうと、著作権専門の弁護士らは指摘している。

また作家たちの間では、この規制がオーストラリア文学の文化の土台になっていると広く考えられている。

国内作家が6割を占める地元店

メルボルンのライゴンストリートにあるリーディングスの店舗では、オーストラリア人作家の作品が客から目立つ場所に展示されていた。

出版社や作家によく知られているブリスベンの独立系書店リバーベンドブックスでは、販売している書籍の約60%は国内作家のものだ。

アマゾンは地元の作家の作品をこのように宣伝するだろうか? 同社はオーストラリアで書籍の出版をするのか? リーディングスのような書店に代表されるような地元コミュニティの気風を衰退させたり、それと競い合ったりするのだろうか?

「疑問がたくさんある」とリーディングスのルッボは言う。彼はこの41年間でメルボルン市内と近郊に7店舗を築いてきた。

多くの顧客は、アマゾンで買い物はしながらも、本については現状に満足しているようだ。ある晩にリーディングスに来ていた客のソニア・テイス(24)は、「実際に本を手に取り、そうしなければ見つけられないものと出合うチャンスがあるのが好き」と語った。

作家たちはより熱がこもっている。「文学が宗教だとしたら、書店は教会だ」と、受賞歴もある小説家でリーディングスの社員でもあるアレク・パトリックは言う。「繊細な均衡を保っている」。

(C)2017 The New York Times News Services 
(執筆:Damien Cave記者、翻訳:中丸碧)

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