スタバも撤退した豪州でアマゾンは勝てるか 地元書店はアマゾン本格進出に微妙な面持ち

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オーストラリアでは職人気質の精肉店や美容院、食料品店、そして地元に根差した書店などが、ショッピングセンターの影響を受けながらも、生きながらえている。

この国では多くの人が小説やソーセージ、シャンプーを異なる店で買い、それぞれの店舗は子どもを地元の学校に通わせている隣人が経営している。

大規模小売店は珍しく、独立系の書店が強い。ニールセンの調査によると、オーストラリアの2015年の書籍販売ビジネスでは独立系書店が全体の26%を占めており、2000年代後半の20%から増加している。米国で独立系書店が占める割合の2倍以上だ。

オーストラリアで人気の独立系書店リーディングスの店内(写真:Asanka Brendon Ratnayake/The New York Times)

ロマンを求める人(と一部の書店)は、オーストラリア人は純粋に地元のビジネスを好むという。皮肉っぽい人たち(と一部のエコノミスト)は、多くの国民は経済的に豊かで自己満足していて、より便利な代替サービスを知らないだけで、最終的にはそれを受け入れ、好むようになると主張する。

ともかくこれだけは明らかだ。アマゾンの参入は個々の小売業者だけでなく、オーストラリアの著作物や生活スタイルにとってのストレステストであるということだ。

「私たちの文化、そしてどんな文化も、外国の影響を受けている」とルッボは言う。「私たちの声を守るために戦う」。

価格ではなく物流の問題

アマゾンのオーストラリア初となるフルフィルメントセンター(配送センター)はメルボルン中心部から南に1時間ほどの複数の幹線道路が交差する場所にある。周辺には食品会社や大手出版のペンギン・ランダムハウスの倉庫があり、センターには何百万という商品が保管できるようになっている。

労働組合関係者らは、アマゾンの新規雇用で国の最低賃金である約18豪ドル(約1570円)が確保されるよう注意深く監視しているという。しかし最近このセンターを訪れたところ、内部には灰色のフロアの真ん中に棚が数個あるだけで、工事関係者がトイレの仕上げをしていた。

今後の動きは予測困難だ。アマゾンに取材を申し込んだが断られ、質問への回答がメールで送られてくることもなかった。

オーストラリアにはアマゾン子会社の英ブックデポジトリーやスタートアップのブックトピアなど、別のオンライン書店がすでに存在する。

オーストラリアの書籍販売市場の4%を占めるというブックトピアのトニー・ナッシュCEOは、アマゾンの影響ですでに業界の競争は激しくなっていると話す。

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