駅ゴミ箱「テロ対策」はビニール袋で解決する なぜ要人来日時にゴミ箱が使えなくなるのか
トランプ米大統領の訪日に際し、都内の多くの駅でゴミ箱が撤去されたり、ふたがされたりした。ただでさえ、市中にあるゴミ箱が少ないというのに、今回のように外国の要人が来るとそのゴミ箱も使えなくなる。10月31日のハロウィーンに合わせて、不特定多数の群衆が集まった渋谷駅界隈では、その翌朝、街路のあちこちがゴミでいっぱいに。“ハロウィーン祭り”に参加した人々はゴミを捨てたくても、捨てる場所がない。「ゴミ捨て難民」があふれる事態にもなった。
はたして、日本の公共交通機関に置かれているゴミ箱の設置状況は適切なのだろうか? 欧州での実例を見ながら、検討してみることにした。
欧州の通勤電車、ゴミ箱付きが当たり前
英国だけでなく、ドイツやオランダなど欧州先進国を走る通勤電車の車内には、しっかりゴミ箱が取り付けられている。どこの国もテロへの恐怖にさいなまれているにもかかわらず、である。
乗客の目に付きやすいドアサイドや座席の背と背の間などに設置、しかも大きなモノが入れにくいよう、バネの跳ね返りが強い金属製のふたが取り付けられている。爆発物などをゴミ箱に押し込むにはかなり面倒そうだ。
乗客が出すゴミの回収で、「最もこまやかな取り組み」として筆者が挙げたいのは、デンマークの例だ。同国の列車に乗ると、シートごとに鉄道会社ロゴ入りビニール袋が設置してあるのが目に付く。乗客はそこへゴミを入れたまま降車してもいいし、袋にゴミを入れてホームにあるゴミ箱に捨てる人もいる。この袋はスーパーのレジ袋と比べ圧倒的に頑丈で大きさがぴったりA4サイズと、ゴミ袋に使うにはもったいないほどの作りだ。
ちなみにこの車内用のゴミ袋、コペンハーゲン空港と都心などを結ぶコペンハーゲンメトロの車内にも常備されている。ドアサイドに吊るしてあるので、車内で食べたバナナの皮などを捨てるのにちょうどいい。
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